広島大学病院は10月17日、小児がん患者のためのVR(仮想現実)ゲームの開発プロジェクトを開始したと発表した。同大ではゲーム制作や機器購入などにかかる2000万円を目標に、寄付を呼び掛けている。
ゲームは講談社の協力を得て、漫画「はたらく細胞」のキャラクターを使用する計画。子どもたちがゲームプレーを通し、体や病気について理解を深め、前向きに治療することが期待されている。
広島大学病院は中四国で唯一の小児がん拠点病院で、多くの子どもたちを治療。小児がんの治療はがん細胞の根絶を目指して最大強度の治療が行われ、長期の入院を余儀なくされる場合もあり、子どもたちの心のケアが重要視されている。
同院小児外科の佐伯勇講師は、「ゲームを通して、がんという戦う相手を理解してほしい。子どもたちの『生きる力』を引き出したい」と話している。
ゲームは2024年の完成を目指し、完成後は全国の小児がん治療病院で無料で使用可能になる予定。同プロジェクトへの寄付は、広島大学ホームページの「病院ファミリーハウス運営基金」で受け付けている。
(東原)