作品の前で思いを語る青山さん
青龍亭書芸院を主宰し平安書道会(京都)無鑑査作家の青山念海さん(90)(東広島市西条町下三永)が8月3~6日、東広島芸術文化ホールくららで、卒寿を記念した書作品展を開いた。
戦争への怒りや悲しみなどをテーマにした約30点の作品を展示。「生ましめん哉」(栗原貞子)、「原爆行」(土屋竹雨)や、原爆の非人間性を訴えた自詠の短歌などを、作品にしたためた。訪れた人たちは、青山さんの思いが凝縮された作品にじっくり見入っていた。
青山さんの生家は産業奨励館(現原爆ドーム)の東隣にあった浄土宗西蓮寺。あの日、旧制中学4年生だった青山さんは、学徒動員先の工場(南観音町)で原爆の爆風を受け被爆した。爆心地の自宅は焼失し、自宅にいた母親も失った。
焼け野原となった市内で、皮がぶらさがったり、火ぶくれしたりして亡くなっていく多くの人を見た。ただ、やけど一つしなかった青山さんは、「苦しんで亡くなった人たちに申し訳ない」という気持ちにかられ、原爆体験を語ることができなかった。
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