新型コロナウイルスの影響で東広島市内でも医療機関の個人防護具が不足する中、東広島ライオンズクラブ(藤原富雄会長)が5月21日、ウイルスの飛まつ感染を防ぐフェースシールド50個を東広島地区医師会(会長・山田謙慈山田脳神経外科院長)に寄付した。
フェースシールドは、同クラブが材料費を集め、ハードウエア・ソフトウエア開発のシー・アイ・エス(東広島市西条中央、吉岡秀二郎社長)が製作した。眼鏡の上から掛けられ、ずれにくく、長時間着けても痛くなりにくいように、と改良を重ね、同社所有の3Dプリンターを使ってフレームを作った。シート部分には、軽くて透過度の高いポリカーボネートを使った。感染症指定医療機関の東広島医療センターに持ち込んだところ、「もっと作ってほしい」と要請があった。3Dプリンターを所持する市内の企業や個人に製作の協力を呼び掛けた。これまでに約700個を製作、市内の医療機関や介護施設などに無償で提供した。今後も製作を続け、計1000個を医療機関などに届ける計画だ。
この日は、藤原会長と吉岡社長たち4人が西条町土与丸の医師会事務局を訪れ、山田会長にフェースシールドを手渡した。山田会長は「どこも足りない状況でありがたい。配布して使ってもらい、コロナを乗り切りたい」と感謝していた。吉岡社長は「1個作るのに約3時間かかるため量産はできないが、追加の要望があれば地道に作っていきたい」と話していた。