東広島市西条町下見の中央中学校吹奏楽部は、これまで活動を支えてきた保護者や関係者に感謝の気持ちを伝えるためこのほど、同校体育館でオータムコンサートを開催した。
新型コロナウイルスの影響で休校が続いた4月と5月は活動ができず、休校明けの6月以降も部活動の制限などで思うような活動をすることができなかった。
毎年全国大会への進出を目標に挑む夏のコンクールや音楽祭、コンサートなども次々と中止になった。そのような中「演奏はできないけれど、音楽を通じて聴いている人に元気を与えられたら」と、3年生が中心となって「心をひとつにがんばろう!」プロジェクトを立ち上げた。活動できる少人数で「上を向いて歩こう」などを校内で演奏し、生徒や先生にエールを届ける活動を続けた。
例年、保護者、地域の人たち約300人が訪れる9月のオータムコンサートも開催が危ぶまれたが、「支えてくださった皆さんに聴いてもらいたい」とソーシャルディスタンスを取り、規模を縮小して開催した。曲の構成やパンフレットの作成などは部員たちで担った。「(3年生にとって)最後の本番。一番いい演奏を、と感謝の気持ちを込めた」と話すのは部長の原本倫さん(15)。保護者ら約100人を前に、全部員38人で精いっぱいの演奏を披露した。原本さんは「思うように活動できなかったけれど、先生や保護者のおかげでコンサートが開けた。喜んでもらえたと思う」と笑顔だった。
同部は、9月末から10月上旬にあった「日本管楽合奏コンテスト」の予選を通過し、11月15日、全国大会に動画で出場。優秀賞とヤマハ賞を受賞した。(茨木)