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新聞投稿欄の掲載30回 10年間の日常を小冊子に 元県立高教頭 高橋恭壯さんが自費出版

  • 2022/04/27

新聞への投稿を小冊子にまとめ、自費出版した高橋さん(撮影・日川)
新聞への投稿を小冊子にまとめ、自費出版した高橋さん(撮影・日川)

 元県立高校教頭で、現在、児童生徒たちの教育相談に応じる響想塾を主宰する高橋恭壯さん(71、西条町西条)が、地方新聞社の投稿欄「広場」に30回載った投稿を小冊子にまとめ、自費出版した。

 

 高橋さんは、40歳代半ばまで、本人いわく「順風満帆の教師人生」を歩んでいたが、志半ばで体調を崩し、休職、早期退職に追い込まれた。6年間、外出もままならない日々を過ごしていた。

 

 生きる意欲を取り戻すきっかけになったのは、学生時代から続けてきたソフトテニス。西条農高教諭時代に、17年間、ソフトテニス部の監督を務めていたことが縁で、同部に練習参加を申し込んだ。ひたむきな高校生と一緒に汗を流すうちに、自己肯定感を取り戻していった。

 

 投稿は自らを取り戻したことを文章で残したいと2013年に始めた。初めて文章が載った際、音信不通だった知人や友人の他、見ず知らずの読者から激励の手紙や電話をもらったことがうれしかった。それを機に日常で感じた思いを書きとどめ、投稿を続けてきた。

 

 13年から今年1月まで、132回投稿し、掲載された30回を「生きてきた証の区切りに」と、小冊子にまとめた。タイトルは自身の音読みをヒントに「響きあい 想いあい」にした、という。

 

 毎朝続けてきたゴミ拾いのことや、退職後に非常勤講師として教壇に立ったことなど、ときどきの素直な思いを平易な文でつづっている。19年に、がん宣告を受けたときの投稿では、「前向きに生きるしかない」と自らを鼓舞している。

 

 200部印刷。知人・友人や学校関係者に配布した。高橋さんは「同級生や多くの人の支援で自費出版することができた。まだまだ生きる目標があり、投稿は続けたい」と話している。

 

(日川)

 

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