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(SUN)

豊栄町で「わらかご」作り継承 地域おこし協力隊員 陣内 綾さん

  • 2022/07/19
陣内さん

 東広島市は6月1日、同市豊栄町で活動する「地域おこし協力隊」に広島市から移住した陣内(じんのうち)綾さん(25)を任命した。今後、市や地域などと連携しながら地域内外の資源を生かし、地域の活性化に向けた仕組みづくりや自立を目指した事業に取り組む。任期は最長で3年間。(山北)

 陣内綾さんは小・中学生の頃、田舎の祖母や親戚の家に遊びに行き、農作業を手伝ったり小動物に触れ合ったりするなど自然に親しんできた。毎年のように田舎を訪れるうちに、田んぼが団地になり、自然がなくなってきていることに、子どもながらショックを受けた記憶があるという。その影響から、自然環境に興味を持つようになり、公立鳥取環境大学に進学。多角的な視点で自然環境などを学び、人と関わる里山などに興味を持つようになった。趣味でもち米のわらを使って「わらかご」を作っている地域の90代の高齢者に出会い、その技術に魅了され、わらかご作りを始めるようになった。

 わらや技術、昔の農具が失われつつあることを危惧し、「農村の素朴な暮らしの中で、脈々と息づいてきた農村の文化と技術を、次世代につないでいきたい」と、高齢者から習ったわらかごの作り方を、仲間と3人で冊子にまとめた。わらかごの製作と、農村地域の暮らしに根付いたわら細工の文化の継承を両立させるには、地域おこし協力隊として、地域に入って活動するのが良いのではないかと思ったという。豊栄町を訪れたことはなかったが、写真で見た真っ青な田園地帯に「ここだ!」と決めて応募した。

 豊栄町の古民家に移住。自分で壁紙を張り替えるなど少しずつ居心地の良い空間になりつつある。東広島市での生活は初めてで不安もあったが、地域の人は親切で心強く、時折、虫の訪問はあるが「住み心地は抜群!」と笑う。

 陣内さんは、「1年目は技術を磨きスキルアップして豊栄町内外でわら細工の文化の保存を大きな枠組みとして、わらかご作りなどわら細工のワークショップをしていきたい。地域の人とのつながりを大切に、一緒にできるプランを具体化し、将来的には、わらかごの販売をしたい」と3年先を見据え目を輝かす。

プロフィール
じんのうち・あや 1997年生まれ。広島市南区出身。東広島市豊栄町在住。公立鳥取環境大学環境学部を卒業後、同大大学院環境経営研究科を修了。大学院在学中に「まあちゃんの手ふごをつくろう」の冊子を発行。趣味は、アボカドなどの植物を種から育てたり、カリカリ梅やジャムなどを作ったりすること。

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