東広島市西条町寺家のJA東広島パッケージセンターで10月5日、西条柿の出荷作業が始まった。パートの女性たちが農家から持ち込まれた丸々と育った柿を一つ一つ手に取り、色や形、品質などを確認後、選果機で大きさを5つに選別した。その後、3ずつ渋抜き用のドライアイスを入れて梱包し、丁寧に箱詰めした。
西条柿は、東広島市と三原市大和町の農家45戸でつくる生産出荷組合が8で生産。夏の高温と長雨により、出荷量は豊作だった昨年の32から半減する見込みだが、昨年12月から低樹高栽培に全戸で取り組んだことで、大玉で高品質な柿が出そろった。JA果樹専門指導員の金好利美さん(64)は「西条柿は東広島の誇り」と目を細める。
西条柿は上品な甘みで果肉がやわらかく、口当たりがよいのが特徴。同組合の沖本孝仁組合長(72)は「干し柿にすると美しい飴色に仕上がる」と話していた。
西条柿の発祥地は西条町寺家の長福寺で、1000年の歴史がある。独自ブランド「原産西条柿」として広島市の市場やスーパーへ出荷、贈答用に全国へ発送している。 (新海)