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【トップインタビュー】東広島警察署署長 野田幸宏さんに聞く

  • 2021/06/07

「被害者の気持ちに寄り添う」モットーに

東広島警察署署長

交通事故 特殊詐欺 災 害 3つの課題に全力!

 東広島署の新署長として、野田幸宏氏(57)が今年4月、着任した。野田新署長は「交通事故の抑止と特殊詐欺被害の防止、災害対策に徹底して取り組みたい」と意気込む。野田新署長に話を聞いた。(日川剛伸)

刑事ドラマに憧れ警察官に

ー管内の事件・事故の発生状況は。

 刑法犯全体の認知件数は減少傾向が続いている。減っている要因は市民の規範意識と防犯意識の高まり。それが刑法犯で最も多い窃盗犯の件数を押し下げているからだ。一方、夫婦間暴力(DⅤ)と児童虐待は増えており、注視しなければならない問題と捉えている。交通事故については、自転車が絡む人身事故が多いのが管内の特徴だ。大学生を含めた若い世代が多いことが影響していると考えられる。

ー管内の当面の課題と対策は。

 三つある。一つ目は交 通事故の抑止。人身事故は減っているが、物件事故は高止まりの状態が続き、一歩間違えば人身事故につながる。交通事故は誰もが加害者にも被害者にもなることを訴えていきたい。自転車の運転マナー教育も行っていく。二つ目は後を絶たない特殊詐欺の被害防止だ。今年も4月末で17件発生している。高齢者を中心に誰もがだまされる危険性があることを周知していく。もう一つは災害対策。警察の役割は人的な被害を未然に防ぐことで、行政と連携しながら広報活動を徹底していきたい。

ー警察官を志した動機は。

 テレビの刑事ドラマを見ていて、「カッコいい」刑事に憧れたのがきっかけ。ただ、現実は地道な捜査の積み重ね。理想とは違っていたけれど、苦労を重ねて事件を解決できたときの達成感はひとしおだった。

ー警察官として心に留めていることは。

 被害者の気持ちに寄り添うこと。36歳のとき、ある殺人事件で、被害者遺族の調書を取ったとき、やるせない気持ちになった。犯人(加害者)の検挙以上に、警察官としてやるべきことがあることを学んだ。

東広島署管内 主な事件・事故

刑法犯の認知件数

 各年とも自転車盗などの窃盗が65%を占め、器物損壊、暴行傷害と続く。暴行傷害にはDVが絡む犯罪も含まれる。

 

交通事故の発生件数

人身事故のうち、自転車が絡む事故は16年が121件、20年が50件。両年とも、そのうちの6割が自転車と車がぶつかる出合い頭の事故だ。

 

 

プロフィル のだ ゆきひろ  1964年、府中市生まれ。地元の高校を卒業後、県警入り。刑事畑などを歩んだ後、薬物銃器対策課長(2018年)、大竹署長(19年)、監察官室長(20年)を経て、今年4月から現職。趣味はジョギングと孫遊び。「孫4人に遊んでもらうのが心の栄養になっている」と笑う。20代のときは、逮捕術特練員として全国大会で優勝した経験を持つ。

 

6月9日14時~
野田署長がFM東広島(89.7MHz)に出演

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