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東広島警察署 署長 木本英則さんに聞く 市民ファーストの警察署に 増える窃盗犯施錠の徹底を

  • 2023/06/19

 東広島署の新署長に木本英則氏が今年3月に着任した。管内では刑法犯の認知件数が増加傾向にあることを課題とし、「市民の安全と安心を第一に考えた、市民ファーストの警察署・警察官であるよう努めたい」と力を込める。木本署長に思いを聞いた。(日川)

東広島警察署 署長 木本英則さん
プロフィール
きもと ひでのり 1965年生まれ。広島工高を卒業後、県警入り。刑事畑を中心に歩み、刑事部捜査第一課長補佐(2010~13年)、警務部警務理事官(17~18年)、福山北警察署長(20~22年)、警務部監察官室長(22~23年)などを経て、23年3月から現職。趣味は散策。座右の銘は「人生楽あれば苦あり」。

 ―管内の一番の課題は。

 窃盗犯を中心に刑法犯の認知件数が増えていること。自転車盗は99件で昨年同時期と比べ14件増加。無施錠で被害に遭うことが多く、施錠の徹底を呼び掛けたい。もう一つ、注意したいのは車上ねらい。最近、連続して発生している。鍵が掛かっていない車を狙うほか、車を壊して車内の物を盗むケースも多い。

刑法犯
 今年5月末の刑法犯の認知件数は343件で、昨年同時期と比べ37件増加した。刑法犯の8割は窃盗犯で、自転車盗(99件)、万引(34件)、車上ねらい(24件)、侵入窃盗(14件)の順。自転車盗や車上ねらい、侵入窃盗を防ぐには、施錠は絶対条件だ。

 ―特殊詐欺やDV(家族間や恋人間の暴力)は。

 特殊詐欺は今年5月末までに4件発生。昨年同時期と比べ3件増えている。毎日のように特殊詐欺関連の電話相談が東広島署に寄せられている。市民の誰もが被害に遭う危険性をはらんでおり、決して他人事ではない身近な犯罪であることを知っておいてほしい。
 DVも増加傾向だ。子どもが見ている前での暴力は、子どもへの心理的虐待に当たる。DVは最悪の場合、殺人事件にも発展しかねない。警察としても注視しなければならない問題と捉えており、関係機関と連携しながら被害を防いでいきたい。

 ―交通事故の状況は。

 死者数、負傷者数とも昨年同時期に比べ微増。事故の発生は幹線道路が約3割を占める。道路事情が良くなっているためか、スピードの出し過ぎが事故発生の要因の一つになっているようだ。けがのない物損事故が増えているのも気にかかる。

交通事故
 人傷事故の発生時間帯は午前8時~午前10時と、午後4時~午後6時に多い。交差点とその付近での、追突や出合い頭の事故が55%を占める。過失割合が最も高い第一当事者は40歳代と、65~74歳の高齢者が多い。

 ―署員への訓示は。

 東広島は市民の防犯意識が高い。その思いに応えるためにも、市民第一で仕事をしようと。署内向けには、明日も仕事をしたいと思えるような職場づくりを心掛けている。

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