仏壇のサイズダウンサービスの説明をする蓮池社長(撮影・小林)
東広島市西条町西条東の蓮池うるし工芸(蓮池稔社長)が、仏壇のサイズダウンサービス「久遠の煌(きらめ)き」を行っている。2017年、20年に全国伝統的工芸品仏壇仏具展で2回連続最高位を受賞している同社は、1回目に受賞した際「見てもらうだけでなく、この技術を普及させたい」と、このサービスを始めた。
サービスは、核家族化や生活スタイルの変化で、実家の仏壇を処分したいという相談が増えていたことがヒントになって生まれた。先祖や自分の親が大切にしてきた仏壇を廃棄することに、心苦しさを感じている顧客が多く、商品化することに。相談に訪れた顧客に、元の仏壇の一部を生かしたサイズダウンを提案している。
顧客の要望に合わせて柔軟にサイズや予算を決め、元の仏壇の雰囲気を残しつつ、移設する部品も下地からきれいに塗り直す。50年後、100年後も末永く手を合わせてもらえるよう、耐久性を意識しながら作り替えている。小型化には高い技術が必要なため、どの店でもできることではないという。
蓮池社長は「既製品は大量生産で、安価だが耐久性が低い。お客さまの思いを最優先に考えながら、職人の技を伝承していく道をつくっていきたい」と話している。
(小林)