東広島の力〈28〉 道の駅　湖畔の里 福富（東広島市福富町久芳）

　2008年、県内14カ所目の道の駅として開業した、東広島市の「道の駅　湖畔の里　福富」（本文は湖畔の里で表記）。5000平方㍍の広大な敷地に、多彩な施設を備える。昨年4月から、ひがしひろしま有限責任事業組合が指定管理者となり運営。直売所やレストランなどを一新し、子どもから大人まで楽しめるスポットとしてにぎわっている。（日川剛伸）

多彩な施設、幅広い世代に人気
ダム湖そば、四季折々の景観は圧巻

　湖畔の里は、東広島で最も標高の高い、鷹ノ巣山の麓に位置し、県営福富ダム（通称・しゃくなげ湖）のそばにある。周辺の山々と道の駅から俯瞰（ふかん）して望むことができる湖水が、四季折々に醸す景観は圧巻だ。施設内の展望台からはダムとダム湖に架かる、しゃくなげ大橋を一望でき、撮影スポットとして人気だ。展望台から遊歩道に入り、自然に囲まれたダムの周りを散策するのもおススメだ。

　その景色を満喫しながら、田舎時間のひとときを過ごせるのが、デイキャンプ場と宿泊キャンプ場。デイキャンプサイトは12区画あり、各サイトには5～6人掛けのテーブルベンチを備える。コンロや炊事棟なども充実しており、「手ぶらで楽しめる」（蒲原直樹駅長）のが自慢だ。

　宿泊キャンプサイトは7区画あり、「夜空に満天の星が広がるパノラマは圧巻の美しさ」と蒲原駅長は目を細める。車中泊ができるRVパークも6区画備える。

　広々としたふれあい広場と芝生広場には、大小の滑り台や、逆バンジーなど21の遊具を備え、世代を超えて遊べるのが売りだ。芝生広場ではキャッチボールやミニサッカーを楽しむことができる。

　直売所やグルメも充実している。交流館には、地域の食材を味わえるレストラン「リッシュキッチン」、焼きたての丸太パンやサンド類、オリジナルジェラートなどを販売する「セントルマルシェ」、地域特産品を集めたショップが入居する。レストランにはテラス席を併設し、ダムを眺めながら食事を楽しむことができる。

　特産品では、福富のエゴマを使った商品や、新鮮な加工法にこだわったジビエ肉などが、湖畔の里ならではの逸品、という。

　野菜館では、福富の野菜を中心に東広島全域の野菜を取り扱う。市内の約300件の農家と委託契約を結び、地元の新鮮な野菜が豊富に並ぶ。安価な野菜の詰め放題コーナーや、有機農産物の販売コーナーなどは人気の的だ。このほか、土日限定でキッチンカーも登場。訪れる人たちのグルメ心を誘う。

　今年が開業15年目。市内はもちろん、県内外の各地から老若男女が訪れる。蒲原駅長は「道路利用者の休憩ではなく、道の駅を目的地に訪れる人たちが多い。そのためにも、もっと施設の魅力を高めていきたい」と言い切る。

　来春には、観光庁の支援を受けて、レンタサイクルを活用した体験型の田園周遊サイクルツーリズム事業を稼働させる。道の駅の新たな魅力にともくろむ。

　花火大会や縁日など、広大な敷地と多彩な施設を活用したイベントも、年間を通してふんだんに企画する。蒲原駅長は「何度足を運んでも、《また来たいな》と思える施設にしたいし、東広島市の魅力を伝える情報発信基地としての役割も担っていきたい」と目を輝かせている。

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