帆を張れ! 碇を上げろ! 帆船模型展
緻密で精巧な帆船模型を間近に見て、その制作工程などの話も聞ける、第32回目の「帆船模型展」。
東広島芸術文化ホール くらら 市民ギャラリーにて、9月18(木)から23日(月・祝)まで開催。
9時~17時(最終日16時まで)。入場無料。海洋丸やイージス艦など約50点を展示予定。
目次
設計図から作成する帆船模型
模型は図面や写真を基に、まずは設計図を作成し、木材などを加工し一つずつパーツを制作します。一つひとつ色付けをし、組み立てを経てようやく完成。メンバーの随行さんは「作品の精巧さと物作りの楽しさを感じていただきたいです」と笑顔で語ってくださいました。
ザ・ロープ・ヒロシマとは
1990年発足(田島勲会長)
今年で第32回を数える帆船模型展を主催。
東広島市、広島市などに在住の帆船模型好きな14名のメンバーで構成されています。
メンバーは月に一度会合を開き、親睦と情報交換、知識・技量アップを図っています。
ザ・ロープ・ヒロシマ 第32回 帆船模型展
【開催期間】
2024年9月18日(水)~23日(月)
【開場時間】
9:00-17:00
※最終日9月23日(月・祝)は、16:00まで
※入場無料
【会場】東広島芸術文化ホール くらら市民ギャラリー
東広島市栄町1-19
過去の作品(一部)
Going Merry Flying Model (From TV animation ONE PIECE)
【作者】田島 勲(東広島市在住)
【模型】縮 尺:ノンスケール
製作日数:(約)3カ月
制作方法:スクラッチビルド
主な材料:木材(桜・カバ・カステロ)・チークオイル仕上げ
テレビアニメ「ワンピース」に登場する初代海賊船ゴーイング・メリー号・フライングモデル。アニメのストーリーはわかりませんが、バンダイのプラモデルにあったので作ってみました。しかし、構造上飛ぶことは絶対に無理。グライダータイプ、羽ばたきタイプ、滑走タイプと羽の構造をどんな感じにするかで4年間悩み休眠状態でしたがアニメ作者の意図を尊重し滑走タイプに決定。
エンデバー 石炭運搬船からイギリス海軍へ
【作者】随行 邦雄(東広島市在住)
【模型】縮 尺:1/27
製作期間:(約)787時間
制作方法:スクラッチビルド
参 考:コーレルキット・アナトミー本
主な材料:ヒノキ・杉坂・アルミ板
【実船】排水量368トン 長さ32m 幅8.9m 速力7~8ノット 乗員94名 兵装4ポンド砲10基
18世紀のイギリス国王陛下の三檣帆船でジェームズ・クック海尉(キャプテン・クック)による南太平洋への第1回探検航海船として名高い。1770年4月にオーストラリア大陸を発見し現在カーネルとして知られる地点へ最初の上陸を行った。その後ロード島で座礁したと諸説あるが、確かなる証拠はない。1998年オーストラリア入職200年を記念するためエンデバー号復元事業が開始され、完成したエンデバー号は世界旅行に出帆した。現在シドニーの海洋博物館の側に繋がれている。
模型製作時間は690時間曲線部が多く表現に苦労した。
ティークリッパー CUTTY・SARKU カティサーク
【作者】住元 一夫(安芸郡府中町在住)
【模型】縮 尺:1/120
製作期間:(約)2年
制作方法:スクラッチビルド
参考資料:資料を基に新造船時を再現
【実船】イギリス 1868年
キットなどはほとんどが改修後のタイプだが、新造船時の姿で製作してみた。中国やインド、セイロンなどの産地からイギリスの市場へお茶を運ぶ専門の快速艇、いわゆるティークリッパーと呼ばれる商船である。1872年サーモピーレーと展開したデッドヒートは帆船史上に残る名レースとして語り継がれている。
クラシックヨット ORION オリオン
【作者】多田 弘(広島市在住)
【模型】縮尺:1/100
制作方法:スクラッチビルド
【実船】アメリカ 1868年
スタンディン・リギンはワイヤーを使いました。釣り用ワイヤー・ナイロンコートです。ナイロンコートの利点は、端部のほつれが無いのと瞬着が良く効く点ですが、ワイヤーの径のゲージ番号は当然芯のワイヤー径なので、現物を見ないでネット注文の場合はナイロン被膜分を計算に入れる必要があります。端部の固定は、折り返したワイヤーに細銅線を巻いて、ワイヤー、銅線を交互に締め付けて、最後に瞬着で緩み止めをしました。セールは、布地の四方の糸を抜き繊維方向をはっきりさせ、四周に厚紙を張り付けで固定し枠張り、クリアラッカーで固定してからセールをつくり、かなりイメージに近づいた感じです。
造船所情景
【作者】植村 弘樹(安芸郡府中町在住)
【模型】縮 尺:1/50
製作期間:(約)1年
制作方法:スクラッチビルド
主な材料:桧
制作方法:実践採寸・写真より作図
昭和30年代盛んに建造された石船の情景です。瀬戸内海の浦々で見られた光景を模写しました。
数年前に現存していた船がすべて廃船となり、同型の実船は見ることができなくなりました。
フリゲート President プレジデント
【作者】若松 信也(呉市在住)
【模型】縮 尺:1/60
製作期間:(約)8カ月 約400時間
制作方法:キット(マンチュアセルガル)
【実船】1760年にイギリス海軍が建造した軽量フリゲート艦
木製帆船模型では2作目となる船で、キットの図面は省略されている部分が多くてわからないところが多々ありましたが、諸先輩方(当時名古屋のロープに所属)教えて頂きながら何とか完成に至りました。
今から10年前の2013年に完成したもので当時31歳でした。
チェロキー級 ブリッグスループ HMSビーグル
【作者】吉岡 哲哉(安芸郡府中町在住)
【模型】縮 尺:1/64
製作期間:(約)1年1カ月
制作方法:キット(アークレー)
【実船】チェロキー級ブリッグスループ 全長27.5m ビーム7.5m 砲10門 第一次航海時は6門 第二次航海時は7門
ビーグル(HMS Beagle)はイギリス海軍の10門の砲を搭載したチェロキー級ブリッグ。名の由来は、野兎狩りに使われる猟犬ビーグルの事で、1820年5月11日にテムズ川のウリッジ造船所で進水した。その後、調査用に改造されたビーグルは3度の探検に参加した。2度目の航海ではチャールズ・ダーウィンが乗船した。
北陸の一港町
【作者】藤原 政夫(呉市在住)
【模型】縮 尺:無し
製作期間:6カ月
制作方法:スクラッチビルド
主な材料:ヒノキ板材等
参考書:北前船の里資料館 北前船とそのふる里
蝦夷地か日本海、瀬戸内を通って大阪へ、また大阪から蝦夷地へ、江戸時代から明治時代まで300年も続き、流通の歴史を支え、文化を生み平和な国家を造った事に誇りに思います。当時の事を充分に想像しながら見てください。
アマティ社製 Endeavour(J Class ヨット)
【作者】菊池 義孝(広島市在住)
エンデバーが進水したのは1934年、今から84年前、欧州で第二次世界大戦の始まる5年前のことです。世界で最も長い歴史を持つヨットレースの最高峰といえば、アメリカズカップという大会ですが、エンデバーはこのアメリカズカップを戦うために生まれてきたイギリスの当時最新鋭ヨットです。
アマティ社は、130年の歴史を誇るイタリアのメーカーです。エンデバー(J Class ヨット)1/80
ヨットマンとしては完成させたい美しい艇です。