コンピューターゲームなどで対戦する競技「eスポーツ」が、東広島でもイベントの一つになるなど、注目を集めている。その盛り上がりの背景にある理由を紹介する。(プレスネット編集部)
誰でも挑戦できる夢のある競技
eスポーツの種目は、シューティングやパズルなど大きく分けると8種類。年齢や性別を問わずスキルさえあれば活躍できる可能性がある。種目によってはプロ野球のように数カ月にわたって戦うこともある。世界的な大会では、賞金が50億円を超えることもあり、夢のある競技として注目を集めている。
また、オンライン配信で手軽に観戦できるため「観るスポーツ」として楽しめる点も魅力。近年、高齢者の認知症対策やフレイル予防、障害者の社会参加や交流のための手段としても注目されている。
日本一を目指す東広島が拠点のプロチーム
東広島市高屋町のヤルキマントッキーズは、ゲーム開発などを手掛ける会社で、プロのeスポーツチーム「広島TEAM iXA(イクサ)」を運営している。
広島出身の選手を含む30人が所属し、格闘ゲームを中心に大会に出場。中でも「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2024」の日本一の座を目指して挑んでいる。
地域密着型のeスポーツチームの活動として、主催する大会の「iXA CUP(イクサカップ)」では、広島の特産品を賞品にするなど、県外や海外に向けて地元の魅力を発信している。
eスポーツの選手になるには?板垣護さんにインタビュー
東広島でも盛り上がるeスポーツ。eスポーツの選手になるために必要なことや、eスポーツの選手はどのような生活なのか、プロのeスポーツチーム「広島TEAM iXA」を運営するヤルキマントッキーズ代表の板垣護さんに聞きました。
eスポーツ選手に向いている人は
eスポーツの選手に向いているのは、ゲームが好きでプレイが上手な人です。ただし、種目によっては単純な操作スキルだけでなく、駆け引きや戦略的な思考が求められることもあります。そのため、分析力や攻略力も重要です。
さらに、ゲームいきなり上達するものではありません。地道に練習を重ねて技術を磨き、実力を高めていく努力が必要です。プロのスポーツ選手が日々トレーニングを続けているのと同様に、eスポーツ選手も継続的な練習と試合を通じてスキルを向上させていきます。ゲームに情熱を持ち、努力を惜しまず練習を続けられる人こそ、eスポーツの世界で活躍できる素質を持っています。
eスポーツ選手に必要なスキル
eスポーツは、正確で素早いプレイや、効果的な戦略を立てることができる必要があり、柔軟な思考力が必要です。
ゲームによってはチームで戦うこともあるため、メンバーと円滑にコミュニケーションが取れる能力も欠かせません。
また、たとえ試合で負けてしまったとしても、次の試合で勝てるような対策を考えたり、あきらめず練習を重ねたりする姿勢が、成功する選手になるためには必要です。
eスポーツの選手になるには
プロのeスポーツ選手になるための必須の資格はありません。性別や年齢問わず、誰でも挑戦することができます。
まずは、継続して練習し、大会などで結果を出す事を目標に活動することが重要です。こうした積み重ねが、プロ選手への道を切り開く第一歩となります。
eスポーツの選手はどうやって生活している?
iXAに所属している選手は、正社員の人もいますが、それぞれの選手に合った契約で活動しています。選手の収入は、給料の他に、配信活動やスポンサーとの仕事による報酬などがあります。
働く時間は、大会のリーグ期間中かどうかにもよりますが、一般的な会社員と同様の生活サイクルで、会社で仕事をしている時間に練習したり試合に出たりしています。
市が大会を主催 まちづくりに生かす
今年8月、広島TEAM iXAの競技の様子をパブリックビューイングで楽しむイベントを西高屋駅前イベント実行委員会(合同会社G11)が開催した。JR西高屋駅前の空き家を会場として活用し、約3000人の来場者が訪れて盛り上がった。
eスポーツのイベントはこの他にも、東広島市が近畿大学と共催で「ストリートファイター6」や「ぷよぷよ™テトリス®2」を対戦する大会を企画。若い世代の地域活動への参加促進や、市外からの集客、関連企業の活性化などの狙いがある。eスポーツは観光振興や産業の発展にもつながることから、単なるゲームにとどまらず、まちづくりに必要な活力として、今後も活用が期待されている。