東広島市と広島国際大学(同市黒瀬学園台)でつくる「東広島健幸ステーション」。東広島市と大学が共に持続可能なまちづくりを行う「Town&Gown(タウン・アンド・ガウン)構想」の一環で、市民の幸福度(well‐being)の向上に取り組んでいる。「幸せ」とは何? 広島国際大学健康科学部の田中秀樹学部長に伺った。
「幸せ」実感のための要素
相談相手、笑い、健康、趣味・生きがい、休養
―東広島健幸ステーションが向上させたいと考えている「幸せ」とは何でしょうか。
幸せの感じ方は人それぞれですが、東広島市民を対象にしたアンケートの回答を分析した結果、幸福だと感じている人の共通点がいくつかありました。それが、相談相手がいる、笑うことがある、健康である、趣味・生きがいがある、休養が取れている、という点です。これらを幸せの要素として捉えています。
―なぜ今、「幸せ」に着目?
昔は長屋の文化で人との付き合いがありました。昼に働き、夜には寝る。みんなでご飯を食べて健康でいることが幸せ。一方、現代は物質的には豊かですが、人とのつながりが減りました。つながりや休養を意識しないと、健康を維持しにくく、幸せを感じにくいのが現状です。
自分にとっての幸せって何だろう、と皆さんに考えてもらうきっかけを作って、その幸せを実現できる環境や仕組みを大学の知見や技術を活用して生み出していきます。
―一人一人が取り組めることは。
まずは、休養に直結する睡眠を意識することです。幸せの基本といっても過言ではありません。睡眠は体の疲労を回復し、脳を休めます。脳が休まると感情もコントロールしやすくなります。いらいらせず優しい対応ができると、自分自身も安定し、社会とのつながりの中で信頼関係も築かれます。
メジャーリーガーの大谷翔平さんは、翌日のパフォーマンスのために睡眠時間を十分に確保しています。疲れ果てて寝る、ではなく、翌日より良く活動するための睡眠と考えて、左表のポイントを押さえながら過ごしてみてください。
また、健康な体でいるためには食事も大切。朝・昼・晩、栄養バランスの取れた食事を心掛けましょう。といっても、全部に気を使うのは疲れてしまいますね。どれか一つでも、できそうなものから取り入れてみてください。
幸福度(Well-being )の向上を目指してただいま進行中!
東広島健幸ステーションは、東広島市、大学、企業・団体、地域の連携窓口。課題やニーズに応じてマッチング! 地域をフィールドに共同研究「COMMON(コモン)プロジェクト」や人材育成を行う。進行中のプロジェクトを2つ紹介。
感性工学を生かして、脳活や介護予防グッズの開発
株式会社大創産業×広島国際大学健康科学部
東広島市に本社を置くダイソーで、学生が健康に関する商品開発に挑戦。人間の感性を測定・分析し、商品デザインに反映させる感性工学の技術などを用いて、脳活や介護予防に役立つグッズを今後、提案していく。
市の健康増進や介護予防の専門職も参加し、講評するなど、より当事者に役立つ商品を考える。
スポーツ映像解析ノウハウで、車いすソフトボールの動作分析
広島Salire×広島国際大学 健康スポーツ学部
東広島市を拠点とする車いすソフトボールチーム「広島Salire(サリーレ)」の選手の車輪の回し方などの動作を映像で測定し分析。パフォーマンス向上のアドバイスをする。
また、動作測定の手法とVR(仮想現実)技術を生かし、障がいのある人でもそれぞれの運動機能に応じて、スポーツのシーンを体感したり、プレーしたりできるシステムの開発にも挑戦する。
現在、市と広島国際大学で3つの共同研究「COMMON(コモン)プロジェクト」が進行しています。
休養感を高める睡眠促進行動
□夕方以降に居眠りをしない
□13~15時の間に10~15分ほど仮眠する
□寝床で考え事、悩み事をしない
□休日と平日の起床時間の差を2時間以内にする
□朝ご飯は日当たりの良い場所で食べる
「幸せ」の実感教えてね!
あなたのアンケートが研究の役に立ちます!ぜひご協力ください。個人情報の入力などはないので、つぶやき気分でどうぞ♪
どんな時、どんな事に「幸せ」を実感しますか?
子どもの笑顔が見られたとき
おいしいものを食べたとき
何とか一日を終えて布団に入った瞬間
家族みんな健康で元気いっぱい
友達と筋トレなどで体を動かした時
仕事が充実している時
人の優しさに触れたとき
自分という存在が何もなくても歓迎されていると実感するとき
東広島健幸ステーション実施のアンケートの回答より抜粋
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広島国際大学
Town&GownOffice
東広島健幸ステーション
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