「くらくら西条」 東広島の蔵元巡ったコラム
広島県出身の作家・清水浩司さんによる酒蔵を巡るお散歩紀行集。西条をはじめ、東広島市内の蔵元を訪れ、清水さんの独自目線で取材しながらその歴史や文化、意外と知らないプチ情報を交えつつ日本酒の魅力を伝えています。
帯の裏が蔵歩きマップになっており、本の中に登場する名所と一緒に酒蔵周辺を分かりやすく紹介。本書を持って改めて酒蔵巡りをしたくなる一冊。
「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録され、酒が注目を集める中、日本三大酒どころの一つ西条を本書と共に歩いてみては。市内の書店、道の駅西条のん太の酒蔵などで販売中。1650円。(堀江)
<清水浩司:プロフィル>1971年生まれ。作家・ライター・編集者。2011年「川崎フーフー」名義で発表した闘病ドキュメント『がんフーフー日記』(小学館文庫)が佐々木蔵之介と永作博美主演、『夫婦フーフー日記』として映画化。2019年青春長編小説『愛と勇気を、分けてくれないか』(小学館)で第9回広島本大賞・小説部門を受賞。テレビコメンテーターやラジオパーソナリティーとしても活躍中。
「ババが言います」 アンタはアンタ!それでいいんだよ
西条町の主婦・宮丸さん3作目の絵本
東広島市西条町寺家の主婦・宮丸伸恵さん(73)が執筆した3冊目の絵本『ババが言います』が文芸社から出版されました。
日常生活の中で失敗したりうれしかったりしたことを孫が祖母に打ち明け、祖母とのやりとりをユーモラスに温かく描いています。「頑張っただけうれしいことがあり、頑張ってもくじけそうになることがある。だけどアンタはアンタ!それでいいんだよ」と心がほっと温かくなる一冊。
つらさや苦しさに折り合いをつけて自分らしさを失わずに生きていくことや、受け止めてくれる相手がいると心が軽くなることを伝えたいと執筆しました。絵は、フリーイラストレーターの山口けい子さんが担当。
宮丸さんは「折れそうになった子どもたちの心が、少しでも救われればうれしい」と話しています。B5判、24㌻。小学校低~中学年向け。1320円。インターネットでも購入できます。(山北)
<宮丸伸恵:これまでの作品>デビュー作は、2017年のツバメのひなの成長を描いた絵本『巣立つ日まで』、20年には、児童養護施設で暮らす男の子の一年を描いた絵本『ユキトの四季』をそれぞれ文芸社から出版。
「ヒロ子さんと巡る広島大学」 漫画家・弘兼憲史さんが作画
漫画で大学の歴史や研究を紹介
広島大は、島耕作シリーズで知られる漫画家の弘兼憲史さんが作画を担当した漫画『ヒロ子さんと巡る広島大学』を発行しました(=写真)。漫画による広島大の紹介は初めて。
広島大の越智光夫学長が、女子高校生(ヒロ子さん)に大学の歴史や、最新の研究を紹介するというストーリー。越智学長が分かりやすい言葉で、ヒロ子さんに語りかけているのが特徴で、中高校生が読んでも親しみやすい内容になっています。
漫画は、広島大が2024年で開学75周年と、前進校の創立から合わせると150周年になることから、その記念として発行。弘兼氏が、広島大の特別講義「世界に羽ばたく。教養の力」の講師を務めていることが縁で、大学が作画を依頼しました。
A5判、120㌻。価格は1000円。啓文社などで取り扱っています。問い合わせは広島大学図書館内の広島大学出版会082(424)6208。(日川)
映画「TOUCH/タッチ」海外で大反響の映画を広島で初上映
本木雅弘さん、Kki, さん出演
被爆者の女性とアイスランドの青年との壮大なラブストーリーを描いた映画 『TOUCH/タッチ』が昨年11月23日、広島国際映画祭で日本初上映されました。上映後にトークショーと記者会見が行われ、来日したアイスランドの巨匠バルタザール・コルマウクル監督が出席。映画に込めた思いや撮影エピソードについて語りました。
本作は2020年にアイスランドでベストセラーとなった小説をコルマウクル監督が映画化。物語は2020年コロナ禍の中、主人公のクリストファーが50年前の学生時代にロンドンで出会った最愛の女性・ミコを探す旅に出るところから始まります。当時、被爆者であるミコの父とミコはロンドンに移り住み、日本食レストランを営んでいましたが、ある日突然姿を消してしまいます。クリストファーの昔の恋人・ミコをKki,さん、ミコの父・タカハシを本木雅弘さんが演じています。
広島・呉・竹原でもロケが行われ、撮影中、広島の平和資料館を訪れたという監督は、「被爆者の話を実際に聞いて、そこで強く心を打たれました。まさに学ぶという経験でした」と語りました。すでに上映されたアイスランドやアメリカでの反響については、日本語と英語が7割の作品にも関わらず大ヒットし、見た人は涙目で「ありがとう」「感動した」など想像を超えたリアクションがあったと話しました。また、作中で描かれる被爆の影響や偏見について聞かれた監督は「(原爆は)人類最大の罪だと思います」と話し、「若い世代では関心が薄れてきているよう感じますが、この映画が、平和について考える機会になればうれしいです」と述べました。1月24日から全国公開、広島バルト11で上映予定。(堀江)