法隆寺に伝わる国宝「玉虫厨子」には、玉虫色に輝くタマムシの羽が多数貼り付けられています。洋の東西を問わず、大昔より人はこの虫の羽色に魅了されてきました。私も子どもの頃にはひと夏に1~2匹は見ていましたが、素早い動きとツルリと滑る体のせいで捕まえることができなかった虫です。
ある日、池の堤防を散歩していると草の中に光るものが落ちていました。ブラックバス釣りの人が落としたルアーだろうと思いながら拾ってみると、びっくり仰天。70年ぶりにタマムシに会えたのです。既に死んでいましたが、写真撮影の後、私のお宝としてガラスケースに納めました。
(フォトリポーター 船越雄治)