マスク着用による、かゆみやニキビなどの肌トラブル、メーク崩れなどに悩む人が増えている。さらにこれからの季節は、強くなる紫外線、冷房による乾燥も気になる。マスクと上手に付き合い、肌の健康を保つポイントをプロに聞いた。
―擦れと蒸れで肌は敏感に
「マスクの肌荒れとメーク崩れは〝擦れ〟と〝蒸れ〟が2大原因」と話すチャームショップくみ(フジグラン東広島1階)の末光麻未店長。感染症や花粉症の対策でマスクを着ける人が多くなった3月ごろから、マスクが原因と考えられる肌トラブルの相談が増えたという。多いのはニキビの悪化や、接触性皮膚炎などの肌荒れと乾燥。いずれもマスクによる擦れと蒸れが引き金となっている。
長時間着けっぱなしのマスクの中は、蒸れて雑菌が繁殖しやすい環境。そのため肌が敏感な状態になる。さらに表情の変化や口の動きに合わせて動くマスクの摩擦が、敏感になった肌に刺激を与えてしまう。
また、マスクを外すとたまった湿気が一気に蒸発。肌の潤いまで一緒に奪うため、急激に乾燥してしまう。その結果、肌の角質層がダメージを受けてバリア機能が低下。細菌やウイルスの侵入が容易になり、ニキビの悪化や皮膚炎につながる。
擦れや蒸れによるトラブルを回避するには「肌を清潔に保つことと、保湿ケアが重要」と末光店長。クレンジングと洗顔は普段よりも優しく丁寧に。たっぷりと保湿をして肌のバリア機能を高めることをすすめている。また、マスクの素材が肌に合わないことが肌荒れの原因になることも。手作りの布マスクを活用したり、マスクを外す時間を作ったりして、肌への負担を軽減するように心掛けたい。
しかし、「擦れ」と「蒸れ」によって角質層の機能が低下すると、肌は無防備な状態になり、さまざまな肌トラブルを引き起こしてしまう。「肌を清潔に」「たっぷり保湿」を心掛けることで、角質層の機能が保たれ、細菌の侵入や水分の蒸発を防ぐことができる。
クレンジングや洗顔で肌の汚れを念入りに落とした後は、化粧水や乳液だけでなく、クリームを使って潤いを守るようにしたい。
摩擦でニキビが悪化。
「対 策」肌当たりの柔らかいマスクに替える。
日焼け止めや下地クリーム、
薄付きのファンデーションで
肌への摩擦軽減を。
クレンジングや洗顔で、肌を清潔に。
肌に合わないことで接触性皮膚炎に。
口周りに赤く粉がふいたり、
軽度のかゆみやヒリヒリした
痛みを痛みを感じたりする。
「対 策」炎症を抑えるため、
鎮静効果のある化粧水を使う。
肌表面の水分が蒸発して乾燥。
肌表面がざらつき、化粧のりも悪くなる。
「対 策」マスクを外す時は、
清潔なハンカチなどで、
優しくポンポンと抑えるように
蒸れを拭き取る。
日中は、ミストで肌に潤いを補給する。
💕プロが教えるマスクメーク
「隠れて見えないから」とメークをしない人もいるが、「擦れ」や「蒸れ」でマスクの下は思っている以上に過酷な環境に。メークは肌表面に薄い層を作るので、外的刺激から肌を守る役割を果たしてくれる。日焼けやエアコンによる乾燥を防ぐためにも最低限のメークは施したい。
💄 ファンデーション
厚塗りをすると、皮脂で汚れて酸化し、肌荒れを起こす原因になるので薄めに。
日焼け止め+肌色補正下地+ファンデーション+おしろい、を基本に、軽めが好みの場合は、下地のあとにおしろいで落ち着かせよう。マスクを外した時に、日焼けした部分としていない部分の差が出ないように、ベースメークはしっかりと。
💄 口紅
肌と同じで、唇も気付かないうちに乾燥している。リップクリームで保護した後に、リップラインで唇を縁取り、透明なグロスでのばしていくといい。
💄 疲れ顔
白いマスクは、色のコントラストが普段よりも目立ちやすくなるため、肌がくすみがちに。肌色補正下地やコンシーラで、クマ、くすみ、色むらをカバー。メークの最後には、ファンデーションと肌の密着を高めるミストをひと吹きし、メーク崩れを防止しよう。薄いパープルやピンクのマスクは肌色を明るく優しい印象に見せる効果も。メークと合わせて使いたい。