東広島市八本松町原の「アグリ・アライアンス」が、白ネギを使った調味料を料理家の岸八千代さんと開発。商品誕生のきっかけや思いを、農園で働く脇 大輔さんにお聞きしました。
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東広島市八本松のアグリ・アライアンス
アグリ・アライアンスは、東広島市八本松町原で白ネギを中心とした農作物を育てている農園です。約12ヘクタールの広々とした畑では、大輔さんの父と兄のほか、若いスタッフやカンボジアからの技能実習生など、現在11名のスタッフがおいしい野菜作りをしています。
農園の作物
アグリ・アライアンスで育てている農作物は、白ネギ、落花生、アスパラガスなど。すべての作物を土にこだわって育てています。白ネギは17年ほど前から作っていて、同じ作物を同じ場所で繰り返し栽培することで起こる連作障害を防ぐために、4年前から落花生の栽培を始めました。
アグリ・アライアンスの白ネギ
アグリ・アライアンスの白ネギは、農園の畑面積の約6ヘクタールを占めています。出荷量は1日でおよそ1トン。白ネギを大量に出荷する作業では、ネギの大きさや太さを機械で選別しています。
白ネギは、収穫したものすべてが出荷できるわけではありません。細いものや、曲がったもの、収穫の際に切れてしまって長さが十分ではないものなどは規格外となり、市場に出回りません。
農園では、1日に何十キロもの白ネギが規格外野菜となっていました。
形がいびつであっても、おいしさに大きな違いがない規格外の白ネギでなにかできないだろうか、と考えた大輔さん。行き場をなくしたネギの解決方法を探すため、大輔さんは東広島のビジネスサポートセンターのハイビズに相談しました。
規格外の白ネギの調味料を料理家と共同開発
規格外となった白ネギの廃棄を削減するためにハイビズが提案したのは、白ネギを加工して作った調味料の販売。
大輔さんの前職は料理人で、以前に農園の落花生で加工品を作った経験がありましたが、白ネギの加工は初めての挑戦でした。
料理家の岸さんがレシピを考案
調味料のレシピは、料理家の岸八千代さんに依頼しました。
岸八千代さんは、RCC中国放送の番組で料理コーナーに出演されていた料理家で、以前、番組でアグリ・アライアンスの落花生が取り上げられたことからつながりがあったそうです。
岸さんが調味料のレシピを考案し、大輔さんは加工を担当して、新商品となる調味料を作りました。
2種類の白ネギタレが誕生
試行錯誤を繰り返し、味の完成にかかった月日は約1年。
さまざまな食べ方でネギを手軽に味わってほしいという大輔さんの思いから、常温保存で食べられる2種類の「白ネギタレ」が誕生しました。
白ネギタレ 白
「白ネギタレ 白」は、あっさりとした塩麹と、まろやかな油の風味で食べやすい味付け。
白ネギは粗いみじん切りで、シャキシャキとした歯ごたえが感じられます。
ご飯のおともにはもちろん、チャーハンに加えて炒めたり、ドレッシングの代わりにサラダに和えたりなど、使い方の自由度が高い調味料です。
白ネギのタレ 赤
「白ネギタレ 赤」は、ピリッと感じる唐辛子の辛さと、スパイシーな香辛料の辛さが癖になる味。香辛料は、クミンやコリアンダーを使用しています。料理にちょい足ししたり、味変に使用したりなど、味にアクセントをつけるのにぴったりな調味料です。
赤のタレには、農園で育てている落花生も入っていて、食感の違いが楽しめます。
新商品は今年販売予定
アグリ・アライアンスの2種類の白ネギタレは、2023年4月29日から5月5日に東京で開催される「生活の楽しみ展」への出店を皮切りに販売を開始します。今後は、正式なパッケージを作ったり、価格や内容量を設定したりして、商品を完成させるそうです。
新商品の販売を控え、期待に胸を膨らます大輔さんは、「白ネギタレには、いろんな思いを詰め込んでいます。これからもフードロスをなるべく抑えていきながら、おいしいねって言ってもらえる作物を作り続けたいです」と話してくれました。
アグリ・アライアンスの白ネギは、市内の一部のスーパーやオンラインショップでも購入できます。ぜひ手に取って、農園のこだわりの味を楽しんでみてください。
アグリ・アライアンス
住所 東広島市八本松町原4595-2
電話 082-429-3733
アグリ・アライアンスのホームページ
(文・写真 Natsumi)