新年度が始まり、自転車で通学・通勤するようになった人も多い。ヘルメット着用の努力義務化など、この春から変わったこともある。自転車の運転者なら知っておきたい情報を東広島警察署に伺った。(橋本礼子)
目次
小学生が加害者となった自転車事故の事例【賠償額】
約9,521万円
自転車保険加入が義務化!
※小学生が夜間、自転車で帰宅途中、歩行中の女性と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等で意識不明の重体となった。(神戸地方裁判所、2013年7月判決)
今年4月1日から、自転車保険への加入が義務化となった。赤信号無視、夜間の無灯火、携帯電話を操作しながらの運転などのルール違反で、自転車が加害者となる交通事故が近年多発している。高額な損害賠償が生じるケースもある。もしもの時のために、保険加入で備えておきたい。
自転車事故の死者のうち【頭部に致命傷】を負った人の割合
約6割
ヘルメット非着用時の【致死率】は着用時に比べ、約2.2倍
※2017年~2021年の合計、警察庁資料より
子どもも大人もヘルメット着用が努力義務化!
自転車利用者の乗車用ヘルメットの着用が、今年4月1日から全年齢の人を対象に努力義務化された。自転車に乗車中に転倒した場合、頭から落ちて大けがをすることが多い。東広島署管内でも、転倒によって頭を打ち死亡する事故が発生している。「命を守るために着用してほしい」と同署。
自転車事故が多発の【時間帯】
午前8時~10時
※2022年中、広島県警
広島県内で発生した自転車が関係する人傷事故は、午前8時~10時の間に最も多く発生している。午後4時~6時が次に多い。また、年間では4月と8月に自転車事故が多く発生する傾向がある。これらの時間帯や時期は車のドライバーも心と時間にゆとりを持って運転したい。
【自転車盗】東広島市は県内の市町別で
ワースト3位
被害に遭った自転車の【無施錠】 約7割
※2022年中、広島県警
東広島市で自転車盗が多発している。2022年の被害は219件で、県内の市町別でワースト3位。被害のうち約7割が鍵を掛けていなかった。21年までは減少傾向にあったが、翌年から増加傾向にある。
同署によると、盗まれた場所の約5割がアパートの駐輪場を含めた自宅。「大学生などの若年層が多く被害に遭っている。帰宅した際もしっかり施錠してほしい」と呼び掛けている。
自転車、素朴な疑問
気になる自転車のあれこれを、寺家サイクル 広大前店(東広島市西条下見)に伺った。
Q,ヘルメットを購入する人は、増えていますか。また、どんなタイプが人気?
A,増えています。現在、品切れ状態で、入荷も数カ月先の予定です。
現在、売り切れて入荷待ちです。特にシニア世代のお客さんからの問い合わせや注文が多いです。流線型のスポーツタイプは軽く、シティサイクルに乗る人も利用しています。通勤・通学、普段の買い物用には、カジュアルなタイプ、帽子のようなタイプも人気です。
Q,自転車保険の選び方のポイントは?
A,補償の内容をきちんと把握しましょう。
保険代理店やインターネット、コンビニなど、申し込み方法はさまざまです。補償内容もさまざまで、対象が本人のケガだけであったり、事故の相手のケガと物も含まれたりするなど異なります。自分に合った補償であることを確認して入りましょう。
Q,この春、自転車を購入しました。長く乗るためのメンテナンスのこつは。
A,月1回、タイヤの空気入れは必須です。
家庭では、タイヤの空気を月に1回入れることで、パンクが起こりにくくなります。また、チェーンへの注油を2~3カ月に1回行ってください。ブレーキの利きが悪くなったら早めに自転車屋で修理を。