東広島市西条本町の「ボディバランス整骨院」院長の廿日出庸治さん(55)。38歳の時、約20年ぶりにランニングを始め、ランニングクラブBBR(ボディバランス★ランナーズ)を結成。2007年から院内の職員でチームを組み「東ひろしま新春駅伝」にほぼ毎年出場。2020年には「宮古島100kmワイドーマラソン」に出場し、完走した。走ることが大好きな現役ランナーで「走る院長」と呼ばれ、アスリートの育成や支援にも情熱を燃やしている。(山北)
廿日出さんは中・高と陸上部に所属。高校卒業後は陸上から離れたが、2005年、長男の持久走大会を見た際に、スポーツの素晴らしさに魅せられ、ランニングを再開した。39歳の時には、沖縄県で開かれた「NAHAマラソン」に出場し、初めてマラソンを完走した。
しかし、43歳の時にがんが見つかり、手術をした。仲間が走っている姿を見て、走りたい思いが強くなり、手術の3年後には治療を中止し「NAHAマラソン」に挑戦。家族や仲間が応援してくれ、5時間43分で完走。「できた!やれた!」と喜んだ。
「家族は、病気が完治していない状態の中での挑戦を不安に思っていたが、私に悔いが残ってはいけないと思ったのか、反対しなかった」と当時を振り返り、家族の思いやりに感謝する。「今も元気で自分の好きなことができるのは、家族や仲間のおかげ」と喜ぶ。
廿日出さんは、初心者、トップレベル、がん患者など各ランナーの完走塾などを主催したり、オンラインでランナー向けの会員制度を導入したり、プロによるマラソン指導やランニングのメニューを組み立てたりしながらランナーを支えている。
3月21日には、体を動かす楽しさを感じてもらえれば、と「第3回福富ダム健康マラソンフェスタ」を開く。
本業は「整骨院」。患者の心、体、栄養のバランスを考え診療やメニューの中に取り入れている。「スポーツをしている人だけではなく、目標に向かって自分のエネルギーを注いでいる全ての人がアスリート。生きている限りは、自分を使い切り人の役に立ちたい」と力を込める。