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輝きいろいろ さとう歯科 院長 佐藤裕二さん 研究者生活から地域医療へ

  • 2023/06/13

 東広島市八本松南の「さとう歯科」院長の佐藤裕二さん(65)。21年間勤務した昭和大学(東京都)を3月末に定年退任。地域医療に力を入れたいと、37年前に妻の美穂子さんが開業した同歯科を新築し、5月8日に新たに開院した。(山北)

さとう歯科 院長 佐藤裕二さん
プロフィール
さとう・ゆうじ 1958年三次市生まれ。東広島市八本松町在住。昭和大学名誉教授。歯学博士。広島大学歯学部卒業、同大学院修了、同大学歯学部附属病院助手。アメリカ国立標準技術研究所(NIST)客員研究員。同大学歯学部講師、助教授を経て昭和大学歯学部教授(高齢者歯科学)。家族は妻と2女。

 同院は、CT(三次元X線)など最新の医療設備を備え、プライバシー保護に配慮したセミ個室などの診療室で治療をする。先進義歯治療やインプラント治療など専門医による治療が可能。県で初の「第一種歯科感染管理施設」に認定され、最新の感染対策を行っている。

 1階は歯科医院で、2階は佐藤さんの長女が診察する「ないとう内科」を開業。同内科などと医科歯科連携を取りながら、糖尿病に罹患(りかん)する要因の一つとされる歯周病予防などに取り組む。

 佐藤さんは入れ歯やインプラントが専門で、歯や口の機能が衰えた状態の「オーラルフレイル」研究の第一人者。昭和大学で歯科医学の研究や学生の指導、診療などをしていたが、5月からは診療が中心となる。

 地域医療に向き合う第4の人生のスタートを「新しい挑戦でおもしろい。患者さんに満足してもらえるような診療をしていきたい」と意気込む。研究や教育が主体だった大学とは、全く環境が違うのでプレッシャーも大きい、と言うが「治療に満足した患者さんの笑顔を見ると、やりがいを感じる」と顔をほころばせる。

 今後は、佐藤さんが開発した口腔(こうくう)機能年齢を測る検査などの診療システムを充実させ、「通常診療の中にどのように入れ込むのかを模索しながら、地域の人の〝口年齢〟を若返らせたい」と目を輝かす。

 これまでの半生を振り返り、妻の美穂子さんに「長年、単身赴任の私を支え、理解してくれたおかげで楽しく充実した日々だった。本当にありがとう。これからも、お互いに歩み寄って人生を謳歌(おうか)したい」と話し、「歩み寄るのは、足の長い私の方かもしれない」と爽やかな笑顔を見せた。

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