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輝きいろいろ メンテックワールド 社長 小松節子さん 時代見据え事業を多角展開

  • 2023/09/20

 社長に就任して今年が20年目。女性経営者として、約160人の社員を束ねる。自動車工場の生産設備のメンテナンス業を会社の柱にしながら、近年は新しい時代を見据えた事業の多角化にも力を注いでいる。(日川)

メンテックワールド 社長 小松節子さん
プロフィール
《メンテックワールド》1965年創業。本社は東広島市八本松飯田。主な事業は自動車工場の設備メンテナンス、ダクト製造、ロボット販売、企業主導型保育園運営など。国内には4事業所(工場)、海外にも4現地法人を持つ。

 現在、展開しているのは5事業。うち、2021年に新設したIT・ロボット事業部は、ロボットの販売代理を担う。主要取引先の自動車業界は、自動運転や電気自動車に代表されるように、100年に一度の変革期を迎えている。「協力会社も、時代のニーズに対応するため、変化は不可欠」と感じたからだ。

 工場内で人と一緒に働いたり、人の代わりに働いたりする協働ロボットや搬送ロボットなどを取り扱う。取り扱うロボットは二酸化炭素の排出を抑える脱炭素化にも連動し、「各事業所の社会課題である脱炭素化も支援したい」と力を込める。

 19年には、4カ国語を遊びながら学べる企業主導型保育園の運営を行うエデュケーション事業部を立ち上げた。東広島市は外国人市民が8000人を超える国際都市。「外国人と日本人の子どもが一緒に学べる保育園をつくり、国際色豊かな子どもたちを育てたい。東広島市に本社のある会社として地域貢献したい」という思いが保育園の開園を後押しした。

 新事業の創出は、「T&Bカフェ」がベースになっている。若い世代の社員を中心に、所属部門間で交流しながら、将来のビジネスに結びつくようなアイデアを自由に出し合ってもらっている。これからも東広島市の企業として、東広島市の特性を生かした事業展開を見据える。

 創業者で夫だった健太郎氏(22年、死去)の後を継ぎ、03年に社長に就任した。創業者の思いを受け継ぎながら、新しい時代の息吹にも柔軟に対応してきた。女性の登用にも積極的に取り組んだ。現在、管理職に占める女性の割合は3割を占める。「管理職を含め女性の良い面は、思いの丈をはっきり話すこと。だからこそ、女性社員には、何でもどん欲に挑戦してほしい」と願う。

 大きな目標は、現在海外に4カ国ある現地法人の事業所を10カ国に増やすこと。「そうなれば会社の上場は必然になっているかな」。夢は膨らむ。

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