酒蔵通りにある自家焙煎(ばいせん)コーヒー店「くぐり門珈琲店」。1階はコーヒーや東広島の特産品や雑貨の販売、2階は喫茶スペースで西条酒の仕込み水でいれたコーヒーを楽しめる。店長は末吉江美さん。酒蔵と組んだ商品開発、西条・東広島の魅力発信に積極的だ。(梶江)
くぐり門珈琲店がオープンして1年目、西条の杜氏(とうじ)に〝利き酒〟のように〝利きコーヒー〟をしてもらって厳選したスペシャルブレンド「九重の蔵」を商品化した。「九重の蔵」の売上の一部を、東広島市の酒造会社などでつくる「西条・山と水の環境機構」(前垣壽男理事長)に寄付している。西条酒の酒粕(かす)を使った酒粕ピザやスープなどの冷凍食品、吟醸酒ハムといった、東広島の産品を生かした商品も開発した。
酒スイーツ展のまとめ役も引き受けている。2013年のひろしま菓子博をきっかけに始まった酒蔵通り元気プロジェクトで、日本酒を使った和菓子・洋菓子をマルシェやワークショップでPRしている。コロナ禍にはクラウドファンディングやオンラインショップを活用して継続した。
これらの奮闘には、「くぐり門珈琲店の誕生には酒蔵、酒蔵通り、観光協会や東広島市などたくさんの人に協力していただき今がある。少しでもお返しになれば」という思いがある。
道の駅のん太の酒蔵(西条町寺家)にあるレストラン「リストランテ ファミリア」の店長も兼任する。ファミリアが目指すのは、道の駅の飲食コーナーではなく、寺家のレストランとして地元の人に愛される店だ。
「さまざまな機会を利用しながら、一度行ってみたい街からまた行きたい街として思い出していただけるように、さまざまな仕掛けをしていく」と末吉さん。「これからも西条・東広島を応援したい」と意欲を見せる。