最先端技術 海外で学ぶ
今春から、母親が開業するクリニック(高屋町杵原)の副院長を務める。カナダの大学病院で最先端の内視鏡技術を学び、「地域のみなさんの健康維持に貢献できるように頑張りたい」と力を込める。
両親とも医師。物心が付いたときから、自然な形で将来像を描くことができた。手先が器用だったことから、内視鏡を扱う消化器内科の道を選んだ。聖路加国際病院などで研修を受けた後、カナダ最大規模の内視鏡センターのあるトロント大学で、治療内視鏡チームに2年所属。「高いレベルの臨床経験を積むことができた」と振り返る。
クリニックで内視鏡を扱うのは大腸と胃だ。心掛けているのは「質の高い正確な観察」に加えて、「患者さんの負担を軽減する検査」という。「カメラの挿入の速さは上手な手技の指標になるけど、患者さんの痛みを伴っていては意味がありません」と患者目線を貫く。
国立がんセンターの統計では、日本人のがん罹患数は大腸がんが最も多く、胃がんが3番目だ。ただ、大腸がん、胃がんとも早期発見・早期治療で、生活の質(QOL)を下げることなく、日常生活を送れる時代だ。「だからこそ内視鏡検査は大切」と訴える。
例えば、大腸の検診では、がんのリスクが指摘される便潜血検査で陽性になった人への内視鏡検査を推奨する。「大腸内視鏡は、がんの診断だけではなく、ポリープの切除もでき、がんを防ぐ予防の効果もある。内視鏡のメリットは大きい」。
今年3月までは、京都大公衆衛生大学院で、集団で病気を予防する公衆衛生について勉強した。「自治体レベルで、市民のがん検診や予防医療の政策に関わっていける医者になりたい」。将来像もしっかりと描く。
将来は公衆衛生に関わる医師に
プロフィル
本田クリニック副院長 本田寛和さん
1987年生まれ。近畿大附属広島高校東広島校、広島大医学部卒。JA広島総合病院、聖路加国際病院での研修を経て、トロント大学で内視鏡技術を学ぶ。帰国後、倉敷中央病院で診療に従事。今春から現職。