広島大学、東広島商工会議所、東広島市は6月14日、市役所で記者会見を開き、市内企業従業員や市立小中学校教職員を対象とした新型コロナワクチンの職域接種を共同で行うと発表した。
会場や医師・看護師は広島大が準備し、早ければ7月3日の接種開始を目指す。対象者は計約1万9000人で、広島大学東広島キャンパスの西体育館が会場。モデルナ社製のワクチンを使う。
対象者の内訳は、東広島市内企業の従業員約1万7000人と、市立小中学校の教職員約2000人。市内企業は東広島商工会議所の会員企業を対象としている。
木原和由会頭は「飲食店やバス、タクシー業者などライフラインを支える業種を優先的に考えたい」 とした。現在は正社員の数を基に対象者を計算しているが、接種状況により、雇用形態や従業員の家族など対象者の枠組みの再検討も行う。
6月21日から広島大学で始まる学生・教職員を対象とした集団接種の1回目が7月2日に終わる予定で、終了次第速やかに企業、教職員の職域接種に移る。
モデルナ社製のワクチンは1回目と2回目の接種の期間が1か月必要とされているため、今回の職域接種が終了するのは8月末の予定 。
広島大学は医師・歯科医師、看護師などの派遣、場所の提供、ワクチンの管理を担当し、東広島商議所は企業からの予約受付、連絡調整などを行う。東広島市は会場の設営・運営、教職員の予約受付などを担当する。
会見で高垣広徳市長は、「政府から示されている職域接種の対象は1000人以上の集団となっているため、中小企業をどうするかが課題だった。商議所、大学と連携して今回のような職域接種が可能になった。極めて意味がある体制が作れた 」と説明。3者が連携した経緯について「これまで産業、学術の分野で連携を図ってきたという環境があったため、今回の枠組みを作ることができた。これまでの関係が土台にある」と話した。
木原会頭は「今回の連携で10人、20人規模の事業者の接種も可能になった。他市に先駆けた取り組みをうれしく思う。多くの人が接種し、経済が活発化することを期待したい 」とあいさつ。
広島大学の俵幸嗣理事は「コロナ禍により危機的な状況に陥っている医療に貢献するのは、国立大学の使命。希望する人ができるだけ早く接種できるよう準備を進める」と話した。
1日当たりの接種可能人数は、平日が1000人程度、休日が2000~2500人程度が目安 だという。
企業や教職員からの予約受付方法は、これから検討する ことになっている。
東広島市の今後の接種計画
対象市民=12万1000人
■個別接種
対象人数 | 約3万人 |
接種時期 |
7月~ 基礎疾患のある市民およびかかりつけ患者等 |
接種場所 | 各医療機関 |
■集団接種
対象人数 | 約5~6万人 |
接種時期 |
6月~ ・高齢者施設等の従事者 ・エッセンシャルワーカー(保育士等) 8月~ ・一般の接種対象者(順次) |
接種場所 | 東広島運動公園等 |
■職域接種
対象人数 | 約3万人(市民分) |
接種時期 | 6~8月 |
接種場所 | 広島大学 |
※広島大学生・教職員約2万人と企業・小中教職員約1万9000人の計3万9000人のうち、東広島市民は約3万人と算出。
※対象人数・時期は見込み
文・写真 プレスネット