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有機フッ素化合物を検出 国の暫定指針値上回る 東広島市流れる瀬野川で

  • 2023/12/15

 東広島市は12月14日、健康への影響が懸念されている有機フッ素化合物(総称PFAS)が東広島市と広島市を流れる瀬野川水系の2地点で検出されたことを発表した。有機フッ素化合物が県内で検出されたのは初めて。

 市では、広島市と連携し、11月20日に瀬野川と、支河川の9地点で実態調査を行った。その結果、八本松町宗吉の則重橋が架かる瀬野川で140㌨㌘、東広島市と広島市の市境の広島市安芸区の石仏橋が架かる瀬野川で53㌨㌘がそれぞれ検出された。国が定める暫定指針値(PFASの代表的物質のPFOSとPFOAの合計値である50㌨㌘)を超過した。

 市生活環境部の話では、PFASの発生源を推定するため、年内をめどに則重橋から上流の支河川で水質調査を実施。また、則重橋周辺で地下水を飲用の井戸に利用している世帯は約100世帯と推察。井戸水だけを飲用としている世帯の状況を把握し、年内をめどに井戸水の調査を行う。結果を踏まえ、国などの関係機関に照会や、井戸水を利用する住民らに水道水の利用を呼び掛けるという。

 PFASは泡消火剤や金属メッキ処理など幅広い用途で使用されてきたが、分解されにくく、人や動物への毒性や蓄積性が疑われている。ただ、健康被害については、現在、国が知見の集積に努めている段階。現時点では、健康被害に関する因果関係は明らかになっていない。

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