二十数カ所で土砂流入
西日本豪雨で被災し、休業していた広島東映カントリークラブ(東広島市八本松町吉川)が11月1日、営業を再開した。
豪雨では、場内二十数カ所に土砂や流木が流れ込んだ。土砂の撤去、芝の張り替え、カート道の修繕などを行い、ようやく全てのホールが回れるようになった。
4日には復旧に関わった工事関係者や会員などを招いたコンペとパーティーを同所で開き、感謝を伝えた。
再開祝い、舘さん駆け付ける
再開を祝って、俳優の舘ひろしさん、グラビアアイドル・女優の橋本マナミさんが来場。他の招待客と一緒にハーフを回り、舘さんと橋本さんは「(被災した場所は)きれいに修繕され、気持ちよくプレーできた」と笑顔。
パーティーには約100人が出席し、岡田裕介東映グループ会長が司会・進行。
パーティーで橋本さんは「たくさんの人が来場するよう祈っています」と語った。
乾杯のあいさつでは、高垣広徳市長が「今後、多くのゴルファーが来て、盛り立てていただくのがテーマ。支援をしていきたい」とエール。
広島東映カントリークラブがオープンして今年で40年。これまで自然災害で被害を受けたことは2度あるが、今回のような
大規模な被災は初めてだという。
同クラブの寺川清社長は復旧までの状況や思いを語り、従業員と来場者にあらためて感謝の気持ちを伝えた。
社員総出でグリーンを掘り起こし、再生
広島東映カントリークラブ 寺川清社長のあいさつ
被害の状況を見たときは、言葉も出ないほどショックを受けた。中でも被害が大きかった5番ホールでは、メイングリーン、サブグリーンの両方が土砂と流木に埋まった。サブグリーンには土砂が70~80cm流れ、その上に大量の流木。グリーンが無くなることは、ゴルフ場にとって致命傷にもなりかねない、守らなくてはならないと感じた。
といっても道路が通行できず、工事関係者は来ることができない。最初は、来られる従業員5~6人で手作業で土砂の撤去を始めた。
徐々に従業員が増えて、サブグリーンを丸4日かかって掘り出した。芝は白く枯れかかった状態で、生き返ってくれるのを信じて、手当てをするしかなかった。呼吸ができるよう地中に空気を送って、消毒し、肥料をやり。それでも思うように回復をしてくれなかったが、ある日、青い芽が出ていた。社員、管理者が願いを込めて愛着を、執念を持って掘り出したからだと思っている。
(結局、張り替えを余儀なくされた)メイングリーンは、1m以上の泥をかぶり、4日間、手の付けようがなかった。40年間育て上げたグリーンを目の前にして、助けてあげることができない。呼吸できないグリーンを前に本当に悔しい無念な気持ちだった。管理者が「諦めましょう」と言ったときは悲しくて涙が出た。
そのような状況から復旧・再開できたのも工事関係者や会員の皆さん、そして従業員のおかげ。感謝している。