東広島市福富町下竹仁に誕生して16年。住民、農家、観光客をつないできた「福富物産しゃくなげ館」は、7月の西日本豪雨で被害を受け、休業を余儀なくされたが、12月3日、5カ月ぶりに営業を再開。多くのお客さんが訪れ、笑顔で溢れている。
同館は平成14年、「都市と田舎の触れ合い」をコンセプトに開館。福富町の特産であるエゴマ製品を主力商品に、餅、豆腐、みそなどを販売。館内にある加工所で、スタッフが手作りしている。食堂で出す、地元野菜で作る定食も全て館内で調理。この「手作り」が客の心をつかんでいる。
豪雨の時には近くの川が氾濫し、濁流がその加工所を直撃した。床上80cmまで水に浸かり、冷蔵庫など電気関係の設備は全て故障し、買い替え。エゴマの油を搾る搾油機などは修理に出した。
豆腐を除く加工設備が稼働可能となり、営業を再開。待ちに待った常連客らが訪れ、買い物や食事を楽しんでいる。
餅グループの新木美子さん(64)は「ここはメンバーやお客さんとの交流の場でもある」と再開を喜ぶ。水脇正司館長は「しゃくなげ館の存在を力強く感じている住民も多い。このまちに助けられ、育てられたことを実感した。正月用の餅をお客さんに渡せ、本当に良かった」とほほ笑んだ。