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【しゃくなげ館】被災し5カ月休業 笑顔再び

  • 2020/10/27

▲野菜売り場で、出荷に来た農家の大久保高由さん(70)(左)、仲川秀明さん(82)(中央)と話す笑顔の水脇正司館長。元気に育ったハクサイ、ネギ、レタス、ブロッコリー、ダイコンが並ぶ


 東広島市福富町下竹仁に誕生して16年。住民、農家、観光客をつないできた「福富物産しゃくなげ館」は、7月の西日本豪雨で被害を受け、休業を余儀なくされたが、12月3日、5カ月ぶりに営業を再開。多くのお客さんが訪れ、笑顔で溢れている。

▲果物や野菜を購入するお客さん。開店すぐに来た志和町の女性(74)はつきたての平餅を購入。「お客さんが来るので、お土産に。再開して良かった」と話していた


 同館は平成14年、「都市と田舎の触れ合い」をコンセプトに開館。福富町の特産であるエゴマ製品を主力商品に、餅、豆腐、みそなどを販売。館内にある加工所で、スタッフが手作りしている。食堂で出す、地元野菜で作る定食も全て館内で調理。この「手作り」が客の心をつかんでいる。

▲人気のおまかせ定食(780円税込み)。地元でとれた野菜を使って、スタッフが調理。テーブルにはエゴマドレッシングが置いてあり、自由に使える


 豪雨の時には近くの川が氾濫し、濁流がその加工所を直撃した。床上80cmまで水に浸かり、冷蔵庫など電気関係の設備は全て故障し、買い替え。エゴマの油を搾る搾油機などは修理に出した。


 豆腐を除く加工設備が稼働可能となり、営業を再開。待ちに待った常連客らが訪れ、買い物や食事を楽しんでいる。

 餅グループの新木美子さん(64)は「ここはメンバーやお客さんとの交流の場でもある」と再開を喜ぶ。水脇正司館長は「しゃくなげ館の存在を力強く感じている住民も多い。このまちに助けられ、育てられたことを実感した。正月用の餅をお客さんに渡せ、本当に良かった」とほほ笑んだ。




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