東広島市は、民間の5事業者と共同出資で地域新電力会社「東広島スマートエネルギー株式会社」を設立することになり、このほど事業者と合意書を締結した。今年2月までに会社の設立手続きを終え、今春から事業を始める計画。自治体が出資する電力会社は、県内では福山市に次いで2例目となる。
事業に参画するのは、市の他、エネルギア・ソリューション・アンド・サービス、中電技術コンサルタント、広島ガス、賀茂地方森林組合、広島銀行。社長には高垣広徳市長が就任する。市内で調達した再生可能エネルギーを、市の管理する公共施設に売電するのが事業の柱になる。
計画では、固定価格買取制度(FIT)買取期限後の家庭用太陽光発電の電力を1キロワット当たり9円で買い取り、市の施設に電力を供給。新ごみ処理施設が稼働する2021年秋以降は、同施設から発電する電力も購入する。5年後には、公共施設の電力使用量の約4分の1に当たる750万キロワットを、同社の電力供給で賄う。また、電力事業以外にも公共施設に省エネルギー設備を導入して光熱水費の経費削減を行い、削減実績から対価を得るESCO(エスコ)事業も手掛けていく。同社で得た利益は地域振興事業に役立てる。
東広島市では、環境をキーワードにした持続可能な社会の構築を目指し、2015年に「市環境先進都市ビジョン」を策定。同ビジョンの推進を加速させていくため、今回、新電力会社を設立した。(日川)