6月4日午後2時ごろ、東広島市内の飲食店で、店を訪れた客2人が着席した直後に「かばんと服が水でぬれた。かばんは結婚記念日にもらった大切なもので、籐(とう)でできている。誠意を見せてほしい」と訴えるトラブルが発生した。
店主が客と話をした結果、示談金として5万7000円をその場で支払い、領収書を作成。客は住所、氏名、電話番号を記入した。翌日、店舗スタッフが保険の相談をしようと領収書に書かれた番号に電話をしたところ、使われていない番号だったという。
客は40~50歳代とみられる男性1人と女性1人の2人組。金を受け取ると食事をせずに店を出たという。
3月以降、広島市内で今回と似たケースが連続で発生しており、広島中央署によると、これまで4件の相談があった。そのうち2件が金を払っている。
警察では「客が訴える被害状況の確認や、免許証などでの人物確認をしっかり行うことが大切。不当要求の可能性もあるので、不審に感じたら、すぐに110番通報を」と呼び掛けている。飲食店の店主は「新型コロナの影響で大変な時期に、こんなことがあるなんて。もし騙されたとすれば、絶対に許されない行為」と憤っている。