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(THU)

【TopInterview】着任から3カ月。東広島警察署長に聞く!駐在所のおまわりさんが原点。市民から頼りにされる存在に

  • 2020/06/30

 

若林東広島警察署長

 

今年3月に東広島署の新署長として着任した若林栄児氏(55)。「安心・安全な東広島をつくっていきたい」と意気込む若林署長に管内の事件・事故の現状や、意気込みなどを聞いた。
(日川剛伸)

安全・安心な東広島をつくっていきたい


―管内では事件・事故は減少傾向です


 要因の一つが、地域の皆さんの熱心な取り組みが挙げられる。例えば、児童が登校する際の通学路での見守り活動は、子どもたちが巻き込まれる事件・事故を未然に防ぐ意味で、大きな役割を果たしてもらっている。近年減少傾向にある交通事故死者数は、今年5月末で1人という状況だ。ただ、犯罪では無施錠の自転車が盗まれる自転車盗と器物損壊が増え、後を絶たない特殊詐欺も今年に入って3件の被害が確認されている(6月25日現在)。

―対策は


 自転車を駐輪するときは、わずかな時間であっても鍵を掛けること。できれば普通の鍵以外にワイヤー錠などを掛けてツーロックをお願いしたい。近年、増えている警察官を装ってキャッシュカードを詐取する特殊詐欺の対策は、警察や金融機関が暗証番号を聞くことは絶対にないことを周知していく。交通事故対策では、夜間、ドライバーには上向きライトの活用を、歩行者には反射材の着用をそれぞれ促したい。交通事故が多い国道の幹線道路を中心に取り締まりも強化する。

―署員に訓示されていることは

 

 「互いに敬意を持とう」と。部下が上司に敬意を持つとともに、上司も部下に敬意を持って接してほしい、という思いから。ハラスメントのない組織は明るいし活気もある。もちろん、言うべきことは言わないといけないが、叱るにしても愛情があればハラスメントには発展しない。風通しの良い職場は良い仕事をする条件の一つだ、と思っている。

―警察官を志した動機は

 
 故郷(庄原市)で見た駐在所のおまわりさんに憧れて。周囲からは、いつも声を掛けてもらっていて、子ども心に人から頼りにされる良い仕事だなと。当時は、刑事ドラマがはやっていたけれど、カッコイイ刑事に引かれたわけではなかったな。

―これまでの業務で印象に残っていることは

 

 巡査時代の20代に刑事として殺人事件に携わったこと。つらかったが、事件発生から数カ月たって、ある市民の目撃情報が犯人逮捕につながったことを、今でも鮮明に覚えている。警察だけでは事件は解決できないことや、現場百遍の言葉の意味など多くのことを学び、その後の仕事の指針になった。

■PROFILE
 わかばやし・えいじ 1965年、庄原市生まれ。庄原格致高卒。84年広島県警入り。広島東警察署副署長(2016年)、県警本部刑事部科学捜査研究所所長(17年)、同本部警務部監察官室室長(19年)などを経て、今年3月から現職。趣味は読書(特に推理小説)。座右の銘は「誠実と努力」で、その心を尋ねると「関わる人全てに嘘をつかないこと。コツコツと自分を磨くこと」と言う。

 

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