東広島市は7月1日、安芸津町の「地域おこし協力隊」に福岡県北九州市出身の清水祥平さん(25)を任命した。市役所で任命式が行われ、生活環境部の弓場潤部長は「これまでの経験やスキルを存分に発揮して、住民の皆さんと地域を盛り上げてほしい」と激励した。任期は2021年3月末まで、最長3年間更新できる。
清水さんは今年3月に広島大教育学部を卒業。フィリピンへの留学や、ベトナムとオーストラリアでのインターンシップなどで、現地の教育機関を見て回った経験から、教育のあり方について考えるようになった。「日本の子どもたちが、五感で触れて、体験、実践できる環境をつくりたい」と卒業後に小学生から大学生までが学べる場「INOSHISHIYAH(いのししや)」を西条町下見に開設した。
新型コロナの影響による学校の休校期間中には、同大の学生たちと協力して、小学生の家庭学習を無料のオンライン授業でサポートした。協力隊ではこれまでの経験を生かしながら、子どもたちが笑顔で過ごせる町づくりに取り組む。
「安芸津は自然が豊かな場所。自然を使った体験学習や地域の人との交流を通して、五感を最大限に使う経験をしてもらいたい。子どもたちが『安芸津に住んで良かった』と言ってくれるような環境づくりを目指す」と意欲を見せた。7月には安芸津町風早の龍王島で小学生向けのキャンプを、8月には大学生向けの安芸津ツアーを企画している。
市は、地域外から人材を受け入れて地域の活性化に取り組んでもらおうと、2016年度から「地域おこし協力隊」を導入。7月1日現在、清水さんを含む6人の隊員が市内各地区に在籍している。安芸津町での協力隊員は清水さんが初めて。