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【夏季県高校野球】武田が初のベスト4 短時間練習堂々の成果

  • 2020/08/26

武田高校

広島商に敗れベンチに引き揚げる武田ナイン(8月8日、呉市鶴岡一人記念球場)

 

 夏の全国高校野球選手権・広島県大会がコロナ禍の影響で中止になり、その代替大会となった夏季県高校野球大会で、武田高校が春・秋の県大会を含めて初めてとなるベスト4に進出した。岡嵜雄介監督は「チームとして大きな自信になった」と目を細めている。

 ベスト4の要因の一つは、新型コロナの影響を逆手に取ったこと。学校の休校で、全体練習の再開は6月から。全体練習ができなかった3カ月間、普段の練習から活用している情報通信機器を生かした。それぞれが取り組んだ練習メニューを動画で撮影し全員がオンラインで共有、モチベーションを高めた。

 効率的な練習を追求してきたことも奏功した。同校は補習授業の関係で、放課後の全体練習は50分ほど。メニューの一部に科学的根拠に基づいて体を鍛える筋力トレーニングを組み込むなど、短時間で選手個々が成果を挙げる密度の濃い練習法を考えてきた。

 今回は、実戦形式の練習が不足する中で1試合を序盤、中盤、終盤の3フェーズ(段階)に分け、それぞれの選手が戦い方を徹底。選手たちはゲームプランを一つに絞った戦術の習得に励んだ。そして迎えた代替大会。初戦の明王台をコールドで下すと波に乗った。準々決勝は投打に瀬戸内を圧倒した。準決勝では、優勝した広島商を相手に互角の戦いで、古豪をあと一歩まで追い込んだ。

 最速145㌔右腕の3年生、久保田大斗投手は粘り強い投球で躍進の原動力になった。久保田選手は高校で投手に転向、武田流の練習で球速は20㌔以上伸びた。「ベスト4はうれしかったけれど、広島商のような強い学校には、僕のストレートでは通用しないことが分かった。上(プロ)を目指して、レベルを上げていきたい」ときっぱり。

 2年生ながらチームを支えた道下黎哉主将は「ベスト4はやるべきことをやった結果。僕たちの練習は間違っていなかった。次は県ナンバーワンを目指す」と誓った。

 チームは休む間もなく〈選抜〉を懸けた秋の大会に挑む。「これからは武田を見る周囲の目も変わってくる。マークされる立場になると思うが、常にベスト8は狙っていきたい。その位置を保つことが、あと2つを勝つ足掛かりになる」と岡嵜監督。「高校野球界にイノベーションを」と意気込む武田に注目だ。

 

⚾武田高の戦績⚾

2回戦  武田 17-1 明王台(5回コールド)
3回戦  武田 9-3 沼田(規定で7回終了)
4回戦  武田 7-0 国泰寺(7回コールド)
準々決勝 武田 15-3 瀬戸内
準決勝  広島商 5-3 武田

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