東広島市では今年3月、2030年を目標にまちづくりの方向を示した「第5次総合計画」を策定。柱の一つにデジタルを活用したスーパーシティのまちづくり を盛り込んでいる。スーパーシティといっても、ピンとこない読者も多いだろう。アナログ世代とデジタル世代の2人の会話を通じてスーパーシティを分かりやすくまとめた。
(日川)
今回はコチラのアナログ世代とデジタル世代の2人が「スーパーシティ」について紹介します!
「AIやビッグデータで都市づくり?」
スーパーシティとは?
プレスネットの記事を読むと、東広島市が10年後の未来都市である内閣府主導の「スーパーシティ」の候補地として名乗りを上げているみたいだね。スーパーマンが何かをしてくれるようなイメージだけど、おじさんにはどのような都市になるのか、いまひとつピンとこないんだよ。
誰もが知っている漫画「ドラえもん」で描かれた街や暮らしを想像するとイメージしやすいかも。簡単にいうと、AI(人工知能)やビッグデータなどの最先端技術・ネットワークを活用することで、市民が最先端のサービスを受けられる利便性の高い都市をつくることみたいよ。
「見上げれば「空飛ぶ車(ドローン)」が飛ぶ時代」
街はどう変わる?
ドラえもんというと…ロボットが身の回りの世話をしてくれたり、自動車が空を飛んでいたり、コンピューターのボタン一つで好きな物が手に入ったり、と夢のような世界を想像したりするけれど。子ども時代に「こんな未来がきたらすてきだな」と思っていたことが現実になってくるということ?
例えば、アプリでスケジュールを組むと、自動運転車が定刻に自宅に配車されたり、生活必需品を自動配送で家庭まで届けてくれたり。自宅にいながら介護や遠隔医療を受けたりすることもできるみたいだわ。空飛ぶ車でいえば、宅配ドローンが縦横無尽に飛び回っているでしょうね。
「大胆な発想で街づくりができる!!」
規制緩和が肝
考えただけでもワクワクする。長生きをしないといけないね。アイデア募集には全国から56の自治体などが提案しているけど、実際の応募はもっと増えるだろうね。指定されるのは全国で5カ所程度のようだけど指定されるとどのようなメリットがあるのかな?
指定されれば、国の戦略特区として、さまざまな規制を一括して緩和できるから、下のイラストのように大胆な発想でさまざまなサービスができるようだわ。
でもね、たとえ指定されなくても優れたサービスの開発や構築に対しては、国が支援施策や地方創生推進交付金などで積極的に支援してくれるそうよ。
「外国人市民にやさしい街!!」
地域の課題を解決
指定されなくても、優れたものには、国が支援してくれるのか。未来に向けて、先端技術を使った取り組みにいろいろと挑戦し、全ての人が住みやすい街を目指す必要があるね。地域の課題を先端技術で解決するのがスーパーシティの本質だそうだね。東広島市が独自に取り組もうとしているのは何なの?
取り組みの一つとして、外国人市民にやさしい街づくりがあるわ。東広島市は留学生を中心に外国人市民が多い都市でしょう。ただ、言語や習慣の違いから、行政手続きや日常生活で不便と感じる外国人市民は多いらしいわ。こうした課題を先端技術で解決していこうとしているみたい。
こうした取り組みは全市民にも広げていくことができるし、誰もが受け入れられ、住み続けられる街といったSDGsの目標にもつながるものだわ。
もっと知っておこう
「スーパーシティ」
構想の背景
日本は世界の中でテクノロジーのデータを活用した都市の未来化が遅れているという指摘がある。今回のコロナ禍では、その課題を露呈したともいわれている。こうしたことを背景に、先端技術を活用し情報や物、人を一つにつなぎ、society5.0(ソサエティー5.0)と呼ばれる新しい社会を構築していくことがスーパーシティの考えの根幹にある。
課 題
スーパーシティでは、複数のサービスのデータ連携を条件としているため、このデータ連携基盤の有無が、スーパーシティであるかどうかの一つの目安・区分になる。
また、サービスの実施にあたり、国や地方自治体などに対して、データの提供を求めることができるとされているため、個人情報が開示されてしまうのではないかといったことが危惧されている。
このため、個人情報については、個人情報関係に関する法令の徹底遵守が求められている。