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(SAT)

「下原康充 氏」市民の「知りたい」を直撃!【東広島選出県議に聞く①】

  • 2020/09/04

 

下原康充

 

 東広島市選出の県議は4人。その役割は重要だが、選挙を除くと、市民が4人と接する機会はほとんどない。4人は県政や旬の問題をどう捉えているのだろうか。読者に代わって「読者が知りたい」同じ質問を4人にぶつけ、思いを語ってもらった。(日川)

※県議の掲載は前回選挙(2019)得票順による

 

 

県政は「生活者の視点」を

 

 ―県議として6期目です。これまでに取り組んできた成果の総括を。

 

 災害の復旧に全力で取り組んできたことは自負できる。1999年の6・29豪雨災害、2001年の芸予地震、記憶に新しいおととしの西日本豪雨災害と、東広島市も甚大な被害に見舞われた。その都度、現地に足を運び、復旧のための県の予算措置が講じられるよう働き掛けてきた。培ってきた経験値は私の財産になっている。農業従事者の一人として、県内農産物の海外輸出に貢献できたことも印象深い。

 

 ―湯崎英彦知事の県政はどう捉えていますか。

 

 評価できるのは、新たな価値を創るというイノベーション立県を掲げ、人工知能(AI)などを活用したまちづくりなど県政に未来の種を植え付けてきたこと。一方で、福祉や社会インフラの整備など、県民の暮らしに直結するような施策については、落第点を付けるほどではないが物足りない。もっと生活者の視点に立ち入ってほしい。

 

「河井問題」ノーコメント

 

 ―いわゆる「河井夫妻」問題については。両被告の公判が始まり、県内の政治家には被告から現金を受け取ったことを認める人もいます。

 

 率直にいうと、政治資金規正法と、公職選挙法の理解の起点がどこだったのかということ。私は当事者であり、これ以上のことはコメントできない。これ以上話すことは公判にも影響を与えるからだ。

 

低投票率政治不信が要因

 

 ―前回県議選(東広島市選挙区)の投票率は過去最低の32・51%でした。

 

 理由は二つある。一つは社会の多様化だ。一昔前だと、選挙は有権者の生活の重要な位置付けを占めていたが、現在は選挙以上に必要なことがありすぎるのではないか。もう一つは政治不信だ。政治家には真摯に頑張っている人も多いが、市民には情報としてインプットされない。逆に失点が多い政治家の情報は社会にあふれ、市民にインプットされる。だからどんなに良い政治家も十把ひとからげで見られ、政治家は嫌だと。人間の口とはそういうものだ。

 

「東広島に起業の芽を」

 

 ―これから東広島市発展のために取り組みたいことは何ですか。

 

 私のまちづくりの指標は、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学など多くの大学が集まるボストン。学園都市は機能的に研究地でもあり、長年、東広島をボストンのような起業の芽が生まれる街にという思いを描いて、後押ししてきた。その意味で、昨年、中小企業の強みを引き出す東広島ビジネスサポートセンター「Hi₋Biz(ハイビズ)」が開設されたのは本当にうれしかった。これからも東広島が国際学術研究都市として成長できるよう一生懸命取り組んでいく。一生懸命は私の政治信条でもある。

 

🖊記者の目「後味が悪い河井問題の発言」

※画像をクリックすると拡大画像が見られます

 

 いったい下原氏に何があったのだろうか。河井問題について、8月21日の本紙取材にはあれほど「公判に影響を与えるからノーコメント」としておきながら、初公判(8月25日)後の27日には、地元テレビ局や新聞社に二転三転しながらも具体的に現金を受け取った理由を供述したのだ。

 

 ―昨年4月に河井案里被告から「当選祝い」や「陣中見舞い」として渡されそうになったのを断った上で、最終的に病気だった妻の「見舞金」として50万円を渡され、医療機関に寄付した―。ただ、これらの言動は別表のとおり疑問符だらけだ。

 

 筆者は下原氏とは20年来の付き合いだが、こんな歯切れの悪い下原氏は初めてだ。特に「誠実」を売りにしている氏だけに、1日も早い「説明責任」を果たしてもらいたい。 

 

【プロフィル】

1951年生まれ。神奈川大学卒。衆議院議員秘書を経て1999年、広島県議選に初当選。以後6期連続当選を果たす。文教委員会委員長、警察・商工労働委員会委員長など歴任。自民党。現所属会派は自民議連。黒瀬町。

 

 

 

 


 

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