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【広島大学 文学部】仏壇作り学ぶ 伝統工芸の奥深さに感動

  • 2020/09/09
蓮池うるし工芸

漆塗りの技術や仏壇作りの工程について説明する蓮池社長(左から2人目)(提供写真)



 東広島市西条町西条東の蓮池うるし工芸でこのほど、広島大文学部の学生を対象にした「漆ワークショップ」があり、18人が漆塗りの技術や仏壇作りの工程について学んだ。大学の授業の一環で、塗師(ぬし)の蓮池稔社長(59)が、次世代を担う若者に伝統技術の素晴らしさや手作りの楽しさを知ってもらおうと、毎年開いている。

 蓮池社長は、木製とプラスチック製のおわんの断面を学生に見せ「木製は下部にかけて厚みがある構造。長く持っても熱が手に伝わりにくく、飲み終えるまで汁を温かく保てる」と話し「伝統技術は裏側に隠れた良さ、隠れた技術がある」と説明した。また、今年の全国伝統的工芸品仏壇仏具展で最高位の経済産業大臣賞を受賞した広島仏壇を前に、木目が残るように塗る摺漆(すりうるし)や、木地の表面に漆を何度も塗り重ねて層を作って文様を表す堆漆(ついしつ)などの技法を紹介した。

 参加した学生は「技術の素晴らしさに驚いた。良いものには理由があって奥が深い」と感心していた。蓮池社長は「伝統工芸品の多くは、一朝一夕ではできない技術で作られている。そういうものが残せる世の中になってほしい」と話していた。

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