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元小学校教員・宮丸さんが絵本出版「ユキトの四季」 児童養護施設の男の子描く

  • 2020/09/16

絵本「ユキトの四季」を紹介する宮丸さん

 元小学校教員の宮丸伸恵さん(69=東広島市西条町寺家)が、児童養護施設で暮らす男の子の一年を描いた絵本「ユキトの四季」(文芸社)を出版した。「ほとけさまのところへ行ってしまった」母親と、病気の父親。理不尽な世間と向き合いながらも、懸命に居場所を見つけ生き生きと暮らすユキトと、それを支える周りの大人たちの春夏秋冬を、ユキトの俳句とともにつづる。

 

 ストーリーはフィクションだが、作中の俳句は、実際に児童養護施設で暮らす児童が詠んだものを使った。無作為で純粋な俳句を「絵本に描いて残したい」とペンを執った宮丸さん。出版には「自分ではどうしようもない状況を受け止め、日常として生きる子どもたちがいる。こうした子が将来自立できるような、それを支える社会であるように」との願いを込めた。「思いの10分の1も描けなかったけれど、子どもたちに楽しく読んでもらえたら。大人には、生き生きと生活する子どもの力を感じ取ってもらいたい」と話している。

 

 絵本はB5判上製本、32ページ。神奈川県在住のフリーイラストレーター山口けい子さんが絵を描いた。1200円(税別)。インターネットや西条土与丸の啓文社西条店などで購入できる。2017年には、けなげに生きようとするツバメのひなの成長を描いた「巣立つ日まで」(文芸社)を出版した。

 

 

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