シリーズ連載の「東広島の政治」。東広島にスポットをあてた政治について5回シリーズで考える。1回目は県議の役割。この記事を受け、東広島市選出県議4名が「私の思い」として主張する。
◎西本博之 氏の主張とは
何をしたいか見えない
県議会議員に対して「何をしたいのか見えない」という指摘に、市民の皆様からのご意見として素直に反省したいと思います。
一方で「市議会議員」から何をしたいか見えない、といった記事については正直残念でした。
同じ議員(県会・市会)という立場で考えると「相互理解の不足」と反省するところです。
他方、市議会議員に対しては、市議会という大変な仕事の中で、与えられた仕事に加えて、地域要望の対応、そして、それぞれの政策立案及び実施に向けて懸命に努力をされていると理解しています。
何をしたいか
ここで、「何をしたいか」、主要な項目を申し述べておきたいと思います。
※詳細については、報告会や報告資料や広報誌で説明の機会を持ちたいと思います
主たる活動(基本)は、県民の皆様の生活をより良いものにするため、本県・本市既存の地場産業を守りつつ、新たな産業を構築させて本県の経済を発展させることです。=①「経済発展」
そして、経済活動の恩恵(お金・時間)を、福祉、教育に充当させ、暮らしの安定・向上とともに、豊かさと活力を感じられる(住みよい)まちをつくること。=②「福祉・教育の充実」
ただし、現時点では、③「新型コロナウイルス対策」と④「災害に強いまちづくり(復興含む)」に力点を置いて活動をする必要があると考えています。
【1】③「新型コロナウイルス対策」
・PCR検査体制とトリアージの見直し
・医療関係、保険従事者への支援
・効率的なワクチン接種体制の構築など
【2】④「災害に強いまちづくり」
・(避難できる、生活できる)避難場所の徹底整備
・徹底した避難行動(意識改革)
・確実な避難情報の発信整備
・マイタイムラインの整備
・復旧・復興とともに災害時の物流を意識した道路インフラの整備など
【3】①「経済発展」
・既存産業「自動車関係」の維持 (EVシフトに対応する企業改革と雇用の維持)
・新たな産業の開拓(医療福祉関係、観光など新たな産業の構築)など
【4】②「福祉・教育の充実」
◎福祉
・誰もが容易に受けられる医療体制
・ネウボラ、地域包括支援体制の充実
◎教育
すべての原点である教育、教育格差など課題対策と教育内容の拡充など
【5】そして、働き方改革、職場環境など暮らしの改善
【補足】見える化は大切ですが、地域からは様々な要望を受けています。裁判事、いじめ、パワハラ、事業展開、家族間・近隣とのトラブル対応など、情報発信できない取り組みも多々あります。ご理解いただければと思います。
与党・野党について
若干気になった点がありますので、コメントさせていただきたいと思います。
よく地方議員に対して、与党・野党という表現されますが、それは正しくないと思っています。
現況では、与党・野党といった枠組みで政治を見てしまうようになっており、そのように誘導している人や報道もあり、とても残念です。ちなみに、地方議員において、与党・野党が大きく関係するのは選挙の時だと思います。
与党・野党は、「国政」において使われている表現であり、都道府県においては、“知事を”サポート・支援・そして質す会派が与党であり「県政与党」ということになります。ですから、広島県議会においては、第1会派「自民議連」と第2会派「民主県政会」が県政与党であり、自民党であっても「広志会」、そして「公明党」等が在野になります。
県議会においては、県政与党であるかないかの違いはあっても、いずれの会派もそれぞれの立ち位置で、真摯、懸命に仕事をしているものと評価しています。
私の立位置
私の擁立元は労働組合で、出身母体はマツダ株式会社です。よく民主党とか言われる方がいますがあくまで無所属です。
会社においても個人的にも、与党・野党を問わず、国政(国会議員)から支援をいただいています。ですから、与党・野党といった枠組みはなく活動を進めています。
“自民党だから、民主党だから仕事を受けない”などと当然考えたこともなく、初当選以来一貫して、どなたでも連絡をいただければ、真摯に話を聴き是々非々で活動を進めています。
いずれにしても、地方において、与党・野党を主たるくくりとして活動を評価すると、活動内容(協力体制)に誤解を生じ、メリットがないものと考えています。
東広島市選手の議員として地域に軸足について
なによりも大切なのは与えられた役務であり、県議会には県議会の役割があります。
加えて、表現やPR・広報に違いはあっても、いずれの県議会議員も、当然のこととして東広島市のことを念頭におき、県議会での活動を進めていると思います。
ただし、地域活動において、支援者が違う人にどの様に地域活動をPRするのか、地域の要望活動によっては外部に情報を出してほしくないものやプライベートにかかわるもの、そして、売名行為にならないなか等、注意して活動を広報する必要があります。これは、地域活動の見える・見えないに影響していると思います。
議員が出席する日数
活動日数について、単純に66日と書かれていますが、県議会議員の仕事はそれだけではありません。後述にも記載されているように、研修、視察もありますが、この66日でいえば、66日のための事前準備や事前調査は相当な時間がかかっており、更に内容を掘り下げてしっかりとした意見を述べようとすれば、その分労力は増えます。東広島市のことであっても、調査、調整のためには県庁に行く必要があります。
そして、例えばこの度のコロナウイルス対応においては、東広島にあるマツダ関連会社を市議会議員と役割分担し一社ずつ訪問し、雇用や経営状況の聞き取りと激励を行っていきました。このような地道な地域活動は見えにくく、県議会の定例業務より時間がかかります。(もちろん、マツダ関連以外の企業や個人から連絡が入れば駆けつけます)
選挙の時しか顔が見えない
選挙では、与えられた期間において選挙活動をしっかりと行い、通常はPR・広報を含めて議会業務及び地域活動に専念したいと考えています。ご指摘いただいております、活動が見えないことに関しては反省し、見える化の改善をしていきたいと思います。
政治の在り方
ご指摘を深く受けとめているのが、公職選挙法違反の件です。
2019年7月の「参院選・広島選挙区」において大規模買収事件が発覚し、広島県議会においても公選法違反の疑いがあるとされています。2020年8月25日の河井夫妻の初公判において県議会13名の実名が公表されました。
これを受けて同月28日に県議会議長に対して「説明の場」を設けるよう会派で要請しました。
しかし、9月定例会議、12月定例会議とも、「説明の場」並びに「広島県議会議員の政治倫理に関する条例に基づく審査会」とも実施できていません。
実施されない主な理由は、「司法の結果が出ていない」こと、「司法ではない議員が議員を裁けない」等々。
残念ながら、本県の倫理条例は、公職選挙法違反を抑止するための条例であって裁くためのものではありません。
しかし、県民の付託を受けている議員として「悪いことは悪い」と正す必要があると考えています。この度の公選法違反にしっかりと対応すること、そして、初心にかえり県民の皆様のために愚直活動を進めていくこと、それが「広島県議会の信頼を取り戻す」取組みであると考えています。