あの日あの時感じたあの言葉、そして心に残る言葉を紹介するコラムです。
野崎賢治さん プロフィール
vol.05 :「周りにあるものが全てパワーの源」
2005年12月20日の私のエッセー。
バルセロナで銀、アトランタで銅とオリンピック女子マラソン2大会続けてメダルを獲得する快挙を成し遂げた有森裕子選手。
精神的にも肉体的にもどうしてそれだけのパワーがあるのか好奇心にかられ、先日お聞きしました。
有森選手は、「『パワーをください』と握手を求めてくる人もいれば、顔を見ただけで泣き出す人もいますが、私には、そんなパワーなんてありません。パワーを持とうと思う気持ちが大事で、思うことがパワーを持っていることにつながる」ときっぱり。
次の言葉を付け加えてくださいました。
「何でもいい、美しい花が道に咲いていたらその美しい花をパワーにすればいい。周りにあるものが、全てパワーの源、そう思うことが大切」
自分の気持ちの持ち方がいかに大事かということなのです。とても分かりやすい例を出してくださいました。
有森選手が、マッサージを受けるためにある人のところを訪ねたときの話。玄関に、とてもかわいい赤いシューズが置いてありました。部屋に入っていくと、おばあさんが一人。
あまりにもかわいいシューズだったので尋ねたそうです。そうするとおばあさんはすぐに、「かわいいでしょう」と言われたそうです。その声を聞いて、有森さんはとても元気になったといいます。
そのおばあさんは、意識してちゃんとおしゃれをして、それを自然に言葉に出すことができる。自分もこんなお年寄りになりたいと、その時、心から思ったそうです。
そして、そう思わせてくれた元気なお年寄りに今、こうして巡り会えたこと。それがうれしくてとても元気になり、パワーが出てきたといいます。
パワーの源は皆に平等にあるものなのです。意識して、自分なりにいかに積極的に取り入れて生きていくことができるか。精力的に生きていくための秘訣が、そこにあるのではないかと思いました。
📻FM東広島(89・7MHz)で毎週月曜日午後8時~、同名番組を放送中。
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