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広島大 法学部が東千田に移転 23年から授業 法曹養成の拠点に

  • 2021/07/07


広島市の東千田キャンパスに移転することが発表された広島大学法学部が入る建物(撮影・日川)

 広島大は6月29日に開いた会見で、東広島キャンパス内の法学部を、広島市の東千田キャンパスに移転し、2023年4月から授業を始めることを発表した。(日川)

 

 越智光夫学長の話によると、東千田キャンパスに6階建ての新校舎を建設し、定員580人の法学部と、大学院人間社会科学研究科法学・政治学プログラムの一部を移す。東千田キャンパスには、法科大学院や法学部の夜間コースなどがあり、移転によって学部と大学院の一体的な教育を進め、「法曹養成を核とした人文社会科学系の新たな拠点」を目指す、という。

 

 法学部は1995年に東千田キャンパスから東広島市に移転。今回の決定で、28年ぶりに広島市都心部への回帰となる。法学部移転後の東広島キャンパスの建物については、2022年に開講予定の米アリゾナ州立大日本校のキャンパスなどに活用していく。

 

 一方、東広島市では、大学と一体となってまちづくりに取り組む「タウン&ガウン」構想を進めている。高垣広徳市長は「まちづくりを進めてきたところで誠に残念」としながらも、「タウン&ガウンの取り組みを一層強化し、グローバルな展開を目指す広島大と、ともにまちづくりを進めたい」としている。

「東広島とは今後も緊密に連携」


法学部の移転について説明する広島大学の越智学長(撮影・日川)

 越智学長の会見要旨は次の通り。

 

―法学部移転の大きな理由は。

 

 東千田は広島大学誕生の地。東広島への統合移転が決まった1970年代は、学生運動の激化や東千田キャンパスの手狭さなどがあり、改革が叫ばれていた。当時としては広々とした東広島のキャンパスで研究ができる環境を選択したのは正しかった。

 ただ、社会環境は刻々と変化しており、それに合わせて大学は進化し続 けていく必要がある。そんな折、文科省が法学部と法科大学院の5年一貫教育で、司法試験合格率を高めるプログラムを整備した。法学部は弁護士など実務からの支援も必要で、弁護士会館などがある広島市への移転が時代に沿っている、と思った。

 

―広島市への移転のメリットは。

 

 千田地区には、にぎわいという面で貢献できるだろう。法学部生は社会との接点が多い方が成長できる。

 

―東広島市との今後の展開は。

 

 移転に際しては、高垣 市長に事前に相談し賛同していただいた。東広島市とは、「タウン&ガウン」構想を軸に今後も緊密に連携し、ともに成長していきたい。

 

―法学部以外の東千田キャンパスへの移転は。

 

 他学部の移転は、現在のところ議論のそじょうには上がっていない。

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