▼2021年11月10日:東広島の最新クマ情報▼
【東広島】河内町にツキノワグマが出没! 市が注意を呼び掛け(映像あり)
東広島市内でクマが目撃されています。県外では、住宅地に出没したクマが人を襲う事故も発生しました。クマの生態や、もし出会ってしまったらどうすればいいのか…など、クマに関するあれこれをまとめました。
何グマがいるの?
広島県にはツキノワグマが生息しています。
東広島市で目撃されているクマもツキノワグマです。
イメージ(写真ACより)
ツキノワグマの特徴を以下に抜粋しました。
(参考:広島県ホームページに掲載の「ツキノワグマの被害に遭わないために」)
体長は110~130cm、体重は80~120kg。
繁殖期は初夏で、この時期のオスはかなり気が立っています。
耳と鼻が良く、人の気配も臭いで分かる一方、目はあまりよくありません。
木登り、水泳が得意で、人間より早く走ります。
子グマは3歳近くまでは母グマと一緒に過ごします。
クマの目撃状況(東広島市)
東広島市に寄せられたクマの目撃情報は、令和元年度が13件、令和2年度が22件でした。
令和3年度も6月末現在で、すでに15件の目撃情報があります。
今年に入ってからは豊栄、福富、河内、高屋での目撃情報ですが、過去4年間では志和、八本松、黒瀬、安芸津、西条でも目撃されています。
直接的な農作物や人への被害はないそうです。
東広島市内でのクマの目撃情報(2021年、市発表分)
目撃日 | 目撃場所 | 警戒対応 レベル |
備考 | |
1 |
4/16 | 主要地方道瀬野川福富本郷線 | 2 | 上河内と河戸の境(切畠橋付近)を沼田川と県道33号線を横断して山に入っていく体長1m程度のクマを目撃 |
2 | 5/14 | 高屋町白市(城山トンネル付近) | 3 | 朝、畑の草刈り中にクマの足跡を発見。 |
3 | 5/14 | 河内町戸野 | 2 | 目撃者宅の庭先に設置したビニールハウス付近で大型のクマを目撃した。 その後、物音に気付き南側の山林に逃げたとのこと。 |
4 | 5/16 | 河内町戸野 | 2 | 大型のクマを目撃した。造賀河戸線を造賀から戸野方面に帰る途中、道路を左から右に渡って行った。 |
5 | 5/21 | 豊栄町能良 | 2 | 主要地方道福富大和線方面から安田橋に向かって歩いているクマを自宅の庭から通報者と妻が目撃した。目撃者からクマまでは直線で 300m。クマは途中で向きを変え南側の主要地方道福富大和線に逃げていった。ガードレールで見えなくなったので車で追いかけたが見失って しまった。 |
6 | 5/29 | 河内町河戸 | 2 | 河内方面から福富町に自動車で帰宅中の女性からクマを目撃したとの通報あり。体長1m程度の子熊が県道を横断したとのこと。警察パトカーにて付近をパトロールしたが、クマの姿は確認できなかった。 |
7 | 5/29 | 福富町下竹仁 | 2 | 福富町下竹仁公領団地より自動車で出ようとした際、大きな動物が道を横切っているのを発見(ドライブレコーダー設置していないため映像としては残っていない)。体高は1メートル程度。歩行の様子からイノシシ等ではないと考え、5月31日朝に警察へ連絡。警察からは市へも連絡を入れるよう助言を受け5月31日に福富支所へ来庁した。 |
8 | 6/5 | 河内町宇山 | 3 | 畑に数カ所クマの足跡があると連絡を受けた。6/7朝、現場(宇山コミュニティホーム北側の畑)で確認したがクマの足跡に間違いないので通報したもの。大きさは、約 15~18 ㎝程度。 |
9 | 6/14 | 豊栄町安宿 | 2 | 国道 486 号線を大和方向に車で走行中、車の待避所北側付近からクマらしきものが南側の川に向かって歩いていた。自分の車に気づき反転して待避所から山に向かって逃げていった。大きさ(色)1.1mくらい(黒色) |
10 |
4/16 | 主要地方道瀬野川福富本郷線 | 2 | 県道 33 号線を三原市方向から車で走行中、東側の山からクマが県道を横切り、南側の沼田川に入っていった。その後どちらの方向へ向かったのかはわからない。 大きさ(色)1mくらい 黒色 |
11 |
4/16 | 主要地方道瀬野川福富本郷線 | 2 | 山際の耕作していない農地の中にいたが、しばらくして山の中に逃げていった。大きさ(色)1.0mくらい 黒色 |
12 |
4/16 | 主要地方道瀬野川福富本郷線 | 2 | 深山峡の三本松キャンプ場北側の国道 432 号線 |
13 |
4/16 | 主要地方道瀬野川福富本郷線 | 2 | 午前 5 時 30 分頃、通勤のため、県道小田白市線を三原市大和町から東広島市河内町河戸に向け、車で走行中、河内町小田と河戸の境界付近で、北側の山から南側の山に向け、当該県道を横断する体長1m強のクマを目撃した。 |
14 |
8/2 | 豊栄町安宿 どんどん淵峡付近 | 2 | 午後 3 時 45 分頃、 国道 486 号 を 豊栄 町方面へ向かっていると、 南側の川の方向から 車の待避所(北側) のある山に歩いて行った。 |
15 |
8/10 | 河内町中河内 深山峡の三本松キャンプ場 付近 | 2 | 8月10日午後 7 時頃、中河内方面から小田に向けて車で帰宅中、深山峡の三本松キャンプ場駐車場付近で椋梨川方面から国道 432 号線を横断して西側の山林へ入ったクマを目撃した。 |
16 |
9/30 | 高屋 町 郷 白鳥神社 南側 | 2 | 9月30日、午後2時50分 頃、林道溝口線の工事施工中、白鳥神社 付近で当該林道を道なり に下って山林へ入ったクマを目撃した。体長は1mのクマであった。 |
17 |
10/9 | 豊栄町能良 能良地域センター 西200m付近 | 2 | 10月9 日 、 午前5時50分頃、主要地方道大和・福富線を、大和町方面に車を運転中、道路を横断中のクマを目撃した。体長は1.5mのクマであった。 |
18 |
10/17 | 河内町入野 山陽自動車道 打森第二橋 北 250m付近 | 2 | 17日午前 7 時頃、クマの親子(親1、子クマ1頭)が自宅南側の田から南側の山に入っ たのを目撃した。親クマの体長は約1m程度。親子とも真っ黒であったため 、「 クマに間違いない 」とのコメント。 |
19 |
10/26 | 河内町入野 山陽自動車道 打森第二橋 北 300m付近 | 2 | 26 日午前 6 時頃、クマの親子(親1、子クマ1頭)が 前回(令和 3 年 10 月 17 日)の目 撃箇所より東側 50 mの箇所で 南側の山に入ったのを目撃した。親クマの体長は約1m程度。 大きさから前回目撃したクマの親子と同一と思われるとのコメントあり。 |
20 |
10/31 | 河内町宇山 | 3 | 自宅近くの農地を見回っていたところ、獣害被害を防止するための防護柵がなぎ倒され、付近の果樹(柿)の枝が折られているとともに、樹幹に爪痕らしき痕跡を発見した。 |
21 |
11/7 | 河内町小田岩谷(10412 番5 付近) | 3 | 河内町捕獲班員が河内町小田岩谷(10412番5)に設置した、ICT捕獲システムを装備した囲いわな周辺の映像を確認していたところ、約1分間にわたり周辺で食べるものを探している体長約1mのツキノワグマの映像が撮影されていた。 |
22 |
11/10 | 河内町宇山 | 3 | 令和 3 年 10 月 31 日に ツキノワグマ による痕跡が確認された、河内町宇山東上地区に設置したカメラに 、体長 1.5 m程度のツキノワグマ 1 頭が果樹 柿 の周辺を歩く姿が撮影されていた。 |
(2021年11月10日更新)
こちらは目撃者が撮影したクマの足跡の画像。
目撃者撮影(市福富支所提供)
目撃者撮影(市福富支所提供)
前足後ろ足が並んでいるのが特徴的ですね。
クマの歩き方はこちら。
(広島県ホームページに掲載の「ツキノワグマの被害に遭わないために」から引用)
目撃者撮影(市河内支所提供)
目撃したらどうする?
クマを目撃した時は、以下のいずれかに連絡をしましょう。
●東広島市農林水産課
082-420-0939
●近くの支所 こちら
●東広島警察署
082-422-0110
目撃情報のあとどうするの?
市に目撃情報が届いたら、まず、警察や付近の学校、地元住民などへ情報を発信し、場合によっては広報車で注意喚起を行います。
そして、目撃情報があった現場付近を調査していきます。
このとき、市と協力するのが「捕獲班」。
捕獲班は市内に9つあり、猟友会の会員により1班20人ほどで構成されています。
目撃情報があった地域の捕獲班と市が現地を調査して、足跡や爪痕などクマの痕跡が見つかった場合は、市のホームページやSNSなどでさらに広く注意喚起を行います。
市では、クマの目撃情報を以下のようにレベル分けしています。
警戒対応レベル |
レベル1 | 目撃情報を受けた段階 |
レベル2 | 目撃情報を確認したがクマの痕跡などは不明な状態 |
レベル3 | クマの痕跡が見つかる |
クマは1日に40~50㎞移動するとも言われているので、現地調査のときには目撃された付近から移動している可能性もあるそうです。
豊栄町捕獲班長・和泉川健太郎さんにクマの現状についてお聞きしました。
有害獣とされるイノシシやシカとは違い、クマは保護される動物です。むやみに捕獲や殺処分することができない上、山の中では敵も少ないため、個体数が増えています。またクマは縄張りの意識が強く範囲も広いので、県北や山陰で縄張り争いに負けたクマが南下していると考えられます。
山のえさが減っているという話もときどき聞きますが、えさが減っているというより、個体数が増えたので相対的に食べるものが減っている状態でしょう。今後も、畑の作物や家畜が狙われるということは十分考えられます。
学校では
目撃情報のあった場所の付近の学校では、どのような対応をしているのでしょうか。
豊栄中学校の石川直之校長にお聞きしました。
「クマの情報が届いたらまずは生徒や保護者に情報を発信して共有します。さらに生徒には、明るいうちにできるだけ集団で、人や車通りの多い道を帰るよう注意を促しています。
生徒たちが小学生のときに、市からクマよけの鈴も配られていますので、カバンなどにつけて登下校のときに活用しています」
その鈴がこちら。
被害に遭わないために
農作物や家畜、人への被害を防ぐためにできることをまとめました。
(参考:広島県ホームページに掲載の「ツキノワグマの被害に遭わないために」)
●クマをよせつけないために
クマのえさになるようなものを取り除いて、人が住む場所をクマにとって魅力のない場所にしましょう。
カキなどを収穫せず放置していませんか。生ごみや食べ残したペットフードを屋外に放置していませんか。生ゴミをたい肥に変えるコンポストも、クマをおびき寄せてしまう場合があります。電気柵などで対策しましょう。
●クマに出会わないために
クマは本来、臆病な動物です。クマが生息する可能性のあるところでは、鈴やラジオなど音が出るものを身に着けて、クマに自分の存在を知らせましょう。耳のいいクマには聞こえています。
山菜などを採るときにも、夢中になりすぎずクマに注意してください。山菜はクマにとっても大事な食糧です。
出会ったらどうするか
もしもクマと出会ったときの行動をまとめました。
(参考:広島県ホームページに掲載の「ツキノワグマの被害に遭わないために」)
あわてない
人間があわてて物音を立てると、クマもあわてて興奮してしまうかもしれません。遠くにいるだけなら心配ありませんので、あわてず、騒がず、そっと立ち去りましょう。
騒がず、物を投げつけない
近くで出会ってしまったときには大声で騒がないようにします。悲鳴がクマを驚かせるかもしれません。 また、あたりにある物をクマに向かって投げつけたりすることは、興奮させる可能性があるので、危険です。
気をそらす
至近距離で出会ってしまった場合、背負っているリュックなどの荷物を軽く投げ捨てることで、クマの注意を別の物に向け、ゆっくりと後退することも有効です。
走って逃げない
クマは逃げるものを追う修正があるため、背中を見せて走って逃げるのは大変危険です。本能的に襲ってくる可能性があるからです。あわてず、クマから目を離さなように、ゆっくりと後退してください。ただし、クマと目を合わせることは、攻撃をしかけられているとクマが勘違いするので危険です。
文・写真 東広島デジタル編集部