新型コロナウイルスの感染拡大が急速に進んでいるのを受け、東広島市は東広島地区医師会や県西部保健所と連携し、感染拡大防止対策に乗り出した。また、全市立小中学校では、緊急事態宣言が適用されている9月12日まで、授業を午前中だけにすることを決めた。(プレスネット取材班)
・東広島市の感染者数
8月1~25日の感染者数の推移、10万人あたりの感染者数、年代別の感染者数は以下表。
・自宅療養者の支援
防止対策では、感染者を受け入れる県の宿泊療養施設がひっ迫していることを踏まえ、自宅療養をせざるを得ない人たちのために、市の新型コロナ感染症対策機構内に自宅療養支援班(6人)を設置した。
東広島地区医師会などと連携し、療養者の健康観察など医療的なケアをサポート。支援班の4人は県西部保健所に派遣し、疫学調査や入院調整など保健所業務の支援に当たる。2カ所で行っているドライブスルー検査の体制強化も図る。
・市立小中学校の対応
市立小中学校は授業を午前中までとし、子どもたちは黙食での給食後、下校となる。緊急宣言期間中の部活動は原則休止(大会・コンクールは除く)とし、修学旅行や体育祭などの学校行事は延期することを決めた。
東広島市が発表の資料より
東広島市では、直近一週間の人口10万人当たりの新規感染者数が100人を超え、ステージ4(爆発的感染拡大)の指標(25人)を大きく超えている。
市内児童生徒の感染状況は、8月だけ(26日現在)で小学生が12人、中学生は11人と6・7月合計の小学生1人、中学生3人を大幅に上回っている。こうしたことを踏まえ、ピークが見通せないことから、今回の対策となった。
東広島市が発表の資料より
・東広島の医療の状況
高垣広徳市長は「東広島地区医師会では、異次元の感染状況下にあると認識し、東広島医療センターからはひっ迫している状況にあると聞いている。これまでにない危機的な状況にあるといっていい」と市の現在の感染状況を分析。
その上で市民に対しては、「ワクチン接種には、副反応を心配される人も多いが、接種が重症化を防ぐことも報告されている。ワクチン接種の効果を考えると、できるだけ多くの市民に接種してほしい」と話している。
・市民の声
市内での爆発的な感染拡大を受け、ある市民は「正確な情報がなく、不安が大きい。感染拡大を防ぐためには濃厚接触者の検査が重要。行政はクラスター発生店舗の情報をきちんと公開してほしい」と話し、ある飲食店関係者は「飲食店の中にはきちんと対策を取らないばかりか、感染者の発生を公表しない店もある。苦しい中、感染防止のためにルールを守っているのがばかみたい」と憤っていた。
・市の最新情報
新型コロナに関する東広島市の最新情報は、市の公式ホームページで確認を。
文 プレスネット取材班
ザ・ウイークリー・プレスネット
2021年9月2日号掲載
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