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アフターコロナ 東広島の未来への提言 「強い産業を育て、希望が集まるまちへ」

2021.09.06

アフターコロナ

 長引くコロナ禍。アフターコロナにはどのような社会となっているのか。そして、東広島市はどのような姿になっているのか。広島市出身で元経済産業省官僚の西田英範さん(40)に、東広島市の可能性について、寄稿していただいた。

 

 東広島市は、広島県の多くの市町村が人口減少で苦しむ中、人口増加を実現しており、また、大学が複数立地するなど、多くの潜在力を有している。また、広島県の中心に位置し、交通の要衝であるとともに、西条を中心に、日本酒の醸造といった魅力的な文化を有している。

 

 こうした中、コロナ禍によって経済の落ち込み、休業要請等の制約が生じる中で、大胆に構造変革に取り組み、新たな成長につなげていくことが重要である。

 

働きやすい環境づくり

 まず、就業・就学のため東広島に居住した人口が長く滞留できる環境整備をする必要がある。コロナ禍により、生活様式に変化のみならず、地域に縛られない仕事・生活の実現に向けた変化がみられる。本社機能のある関東・関西都市圏に移住することなく、在宅勤務を行いうるようになることや、5GVR等で高精細な画像送信が可能となることによるオンライン診療等の発展、地域を超えた学習コンテンツを提供できるオンライン教育等が普及していく。

 

 そうした変化をとらえ、安価で安定的な情報通信環境、及びサテライトのオフィス、医療施設等の施設整備を推進することにより、「東広島市にいながら、どんなビジネス・職種にも挑戦できる」環境を整備していくべきである。

 

企業間連携

 次に、幅広い製造業を有する東広島市は、デジタル技術の活用、工場・企業内外のデータ連携等、モノのサービス化に対応した企業間連携を通じた、生産性向上とイノベーションを実現していく必要がある。

 

 ドイツでの取組が先行しているが、日本においても、発注側・受注側をデジタルでつなぐプラットフォームの構築、複数中小企業間でのデジタル連携、クラウド業務を始めシェアードサービスの導入等による効率化を実現するなどの取り組みが見られる。

 

 また、世界市場も見据え、国際標準化などに向けた連携が必要である。先進的な企業の集まる東広島だからこそ、「企業・工場間連携を通じた、DX化・データ活用による生産性の高いプラットフォーム・産業構造を構築し、世界市場をリード」していくべきである。

 

変革の推進

 さらに、高度な研究開発力を持つ大学が複数ある立地を最大限活用し、オープンイノベーション、スタートアップ企業を生み出していく環境整備も重要。米国シリコンバレーにおいて、ヒト・モノ・カネが大学、企業等との間で常に循環し、イノベーションを生み出し続けている。

日本において、同程度にエンジェル投資家やVCは存在しないが、企業誘致や様々な支援制度の活用等を通じて、イノベーションを生み出すエコシステム(生態系)と言える形を目指していくべきである。

 

 例えば、大学・産業が一体的・融合的な研究開発を支援する産学融合拠点創出支援事業(J-NEXUS)との連携等を含むJ-Innovation HUB(地域オープンイノベーション拠点制度)などが活用しうる。また、大学におけるIT分野の強化を図り、外国人材の受け入れ環境整備等も含め、IT人材の確保・呼び込みも重要である。こうした、大学や研究開発型企業を起点とした、「イノベーションハブとしての東広島」を目指していくべきである。

 

文化発信

 また、日本酒を中心とした文化発信も大きな飛躍につながる。その文化的な価値の評価、地理的表示(GI)を活用したブランド化、国際的PR、販路開拓を進め、世界の富裕層市場を獲得していくことが必要である。

 

 日本酒のユネスコ文化遺産登録に向けた動きもあり、東広島がその主導的役割を果たしていくことも考えられる。さらには、酒蔵ツーリズムの振興による観光を伸ばすことができる。平和都市としての広島市、最近では映画ロケの実施や軍港であった価値のある呉市、古い街並みや大久野島のある竹原市等と相まって、広島全体の観光コースの一角をなすことも考えられる。「世界で愛される日本酒をはじめ“クール”な東広島」も目指していくことが考えられる。

 

 これまで、高品質なものづくりを実現した東広島は、これからは、その製造基盤等を活用し、デジタル化・サービス化の潮流を主導し、企業・業種間連携を実現し、新たな価値を創出する強い産業を育てていき、人と希望が集まる街となっていくと考えている。

 

ザ・ウイークリー・プレスネット

2021年9月9日号掲載

 

 

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