「オレオレ詐欺」が再び流行するなど、広島県内での特殊詐欺の傾向が、昨年と変わっている。今年1~8月の県内の発生件数を、ランキングで紹介。東広島でも同じ事例による被害が発生するかもしれない。「このセリフは詐欺」と知り、いざというときに備えよう。(橋本礼子)
1位架空料金請求詐欺
😈パソコンやスマホに…
マイクロソフトをかたる「この PC へのアクセスはブロックされました」などの表示
😈携帯電話に…
NTTファイナンスをかたる料金未納のショートメッセージサービス(SMS)
被害件数/額(県) 39件 7077万円
うち東広島署管内 2件 142万円
最多の受け渡し方法 電子マネー
携帯・パソコンの偽表示が増
以前の架空請求と言えば、はがきや封書が主流だったが、現在は、パソコンやスマホに、実在する企業をかたった偽の表示を出すケースが多発。
「未納の料金がある」「ウイルスに感染している」などと不安をあおる。書いてある番号に電話すると、電子マネーで振り込むようにと、犯人から指示があることがほとんど。いずれの企業も公式ホームページで「記載されていることは事実ではない」と発表している。
2位オレオレ詐欺
😈固定電話に…
息子や孫をかたる男から「喉が腫れて声が変わった。病院に行ってかばんをなくし、かばんには小切手が入っていて、困っている」という電話
被害件数/額(県) 32件 9883万円
うち東広島署管内 1件 102万円
最多の受け渡し方法 手渡し
「かばんなくす」被害額が最多
昨年は2件だったが、今年に入って32件発生。いずれも左のような理由をつけ、複数の人物が電話や対面で接触してくる。息子役が「喉が腫れて声が変わった」警察官役が「かばんは見つかったが携帯電話がない。息子さんには電話をしないで」というケースが多い。
1件当たりの被害額が多いのが特徴で、5月には尾道市で1500万円の被害が出た。
3位還付金詐欺
😈固定電話に…
市の職員をかたる人物から「介護保険料の過払い金を返します」という電話
被害件数/額(県) 22件 1768万円
うち東広島署管内 2件 189万円
最多の受け渡し方法 ATM
昨年は0件、急増
昨年は0件だったが、今年は22件発生。携帯電話を持って現金自動預払機(ATM)に行くよう誘導され、ATMの前に行くと犯人の口座に金を振り込むよう言葉巧みに指示をされる。
被害に至らずとも、家族のことや貯金の額を確かめる電話、いわゆる「アポ電」も県内各地で発生。60歳代後半の女性が狙われているという。
アポ電は固定電話にかかってくることが多い。東広島市は「高齢者世帯を対象にした迷惑電話防止機器の購入に対する補助金があります。ぜひ活用を」と呼び掛けている。
4位キャッシュカード詐欺盗
10件 911万円
警察官や銀行員などをかたった人物が住宅を訪れ、キャッシュカードを封筒に入れさせるなどして偽物とすりかえて盗み出す。
5位預貯金詐欺
9件 851万円
警察官や銀行員などをかたった人物が住宅を訪れ、交換手続きが必要であるなどの名目で、キャッシュカードなどをだまし取る。
6位融資保証金詐欺
4件 646万円
7位ギャンブル詐欺
3件 1423万円
8位金融商品詐欺
2件 72万円
いずれも被害件数/額(県)
東広島署に聞く だまされないために できること
留守番電話や防犯電話、活用を
東広島署生活安全課 佐藤賢一課長
被害者の大半は、「私はだまされないと思っていた」と言います。特殊詐欺のアポ電は、ほとんどが自宅の固定電話にかかってきます。被害を防ぐ一番の手段は「自宅の固定電話に出ない」ことです。留守番電話に設定したり、防犯機能付きの「優良防犯電話」を使用したりしてみては、いかがでしょうか。
不安だ…、おかしい…、と思ったら、こちらに相談
東広島警察署 082(422)0110
東広島市消費生活センター 082(421)7189