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特別インタビュー 2選目指し立候補表明 東広島市長 高垣広徳氏

  • 2021/10/12

東広島市長

 

PROFILE
たかがき ひろのり 1953年生まれ、68歳。尾道市出身。大阪大学工学部卒業後、広島県庁に入庁。土木局長を最後に退職後は㈱サタケに1年間勤務。2014年4月、副知事に就任。2017年12月に退任。2018年2月4日の市長選に初当選。

 

市民に説明責任果たせる市長に

テクノロジーと自然が融合 「やさしい未来都市」目指す

 東広島市の高垣広徳市長が9月定例市議会で、来年1月に行われる市長選に2選を目指し立候補を表明した。2期目に挑戦する高垣市長に、1期目を振り返ってもらいながら、どのような市の将来像を描いているのか、市民に政策をどう伝えていくのか―。思いの丈(たけ)をぶつけた。(日川)

 

 ―2期目を目指すことを決めた動機は。

 

 昨年、東広島市の10年先のまちづくりを見据えた「第五次総合計画」を策定した。芽が出るのはこれからで、芽を育み、開花させたいと思ったのが直接の動機だ。プレスネットの8月12日号紙面で、7割の市議が私を評価している記事を読んだことも、2期目に挑戦する後押しになった。

 

 ―1期目を振り返ってください。

 

 西日本豪雨災害や新型コロナウイルス感染症など未曽有の事態に対応していた中で、これからのまちづくりは、国連の提唱するSDGs(持続可能な開発目標)を基盤にしながら、ともに支え合う共生社会をつくっていくことが重要であることを強く意識した。

 

 共生社会をつくっていくためには、AI(人工知能)などのデジタル技術を活用したまちづくりが大切になる。2つのことを総合計画に盛り込み、市の方向をきちんと定めることができた4年間だと思っている。

 

 ―具体的にはどういうまちをつくろうと。

 

 一言で置き換えると「やさしい未来都市」。テクノロジーと自然が融合するまちだ。東広島では、最先端のビジネスに関わることができる一方で、田園に囲まれロハスなスローライフを楽しみながら新しい価値も見いだせる―。そんな多様な生き方を提示できる都市をつくっていきたい。2選を果たせれば、その形が見えるまで持っていく。

 

 もちろんまちづくりは行政だけでは限界がある。市民が主体のNPOなどとの協働が必要になる。

 

 ―そのまちづくりの一端を担う市民の声は、市長に届いていますか。

 

 コロナ禍の中、昨年から、市民とのコミュニケーションツールの一つとしてSNSの活用を始めた。フェイスブックなどでつながる市民とのダイレクトなやり取りを通じて、一部ではあるが市民の思いもつかめるようになってきた。

 

 一方で、市の組織を通じては、市民の本音は、相当整理されてから私に伝わっているようだ。市民の市政への疑問や不満などの叫びは、私には届いてこない。広報戦略を含めて、市長と市民の思いが互いにダイレクトに伝わるシステムを 作っていく必要がある。

 

 ―初めて政治に関わった1期目で強く感じたことは何ですか。

 

 私は10年先のことを考えたまちづくりを念頭に置いているが、市民は今の生活のことを優先しているということ。そこに、ギャップが生じるのは至極当たり前で、大切なのは、そのギャップをどう埋めるか。市民への政策の理解度が深まるよう、きちんと説明責任を果たせる市長でありたいと思っている。

 

 ただ、周囲を魅了させるような劇場型の伝え方は、役人生活が長かった私には苦手(笑)。だが、硬い話ばかりをしていては、市民の心に伝わらない。落語を参考にしながら、笑いなどを盛り込んだコミュニケーション術を勉強し、パッション(熱意)を持った言動もできる市長を目指す。

 


 

SNSで市政情報発信

 高垣市長自ら原稿を執筆。市政に関することを中心に、自らの思いを交え、マスコミが取り上げないことまで発信している。市長いわく「市民が直接生活に関わることは、〈いいね〉ボタンが多いが、大学連携など、硬い話題になると市民の反応も今一つ」。

 

東広島市長sns

 

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