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追悼 佐竹利子さん 株式会社サタケ四代目代表 東広島市名誉市民

  • 2021/10/19

追悼 佐竹利子さん1

 

 株式会社サタケ(広島県東広島市西条西本町2-30)の取締役名誉会長で、東広島市名誉市民の佐竹利子さんが、老衰のために10月5日午後9時 45分に亡くなった。11日、同社が発表した。88歳だった。故人の遺志により、通夜、葬儀は近親者だけですでに執り行われた。後日、同社主催で「お別れの会(仮)」を行う予定だという。

祖父、父、夫の意思を受け継ぎ 食を通じ社会の発展に貢献

 佐竹利子さんはサタケ二代目・利彦氏の一女。米・南カリフォルニア大学に留学し、商業デザインを学ぶ。1959年、佐竹製作所(現サタケ)入社。94年に創業100周年を記念して建てた新本社ビル(クリスタルビル)には、設計段階からデザインに関わり、絵や家具調度品の一つひとつに思いを込めた。

 

 97年、代表に就任。2010年には藍綬褒章を受章。21年、取締役名誉会長になった。

 

 祖父が種をまき、父が育てた会社を、三代目であった夫・覚氏と共に世界の企業として花を咲かせた。

 

 19年には、東広島市から名誉市民の称号が贈られた。

 

さたけ としこ

1957年 米国南カリフォルニア大学芸術学部卒業
1959年 佐竹製作所(現サタケ)入社
1989年 同 専務取締役
1993年 同 取締役副社長
1997年 同 代表
2001年 社団法人日本食品機械工業会理事
    財団法人広島大学後援会理事長
    社団法人発明協会理事
2002年 米国ルイジアナ州立大学特別評議員称号受領
2005年 京都大学農学博士号取得
2010年 藍綬褒章受章
2019年 東広島市名誉市民に選定
2021年 取締役名誉会長

 

追悼 佐竹利子さん2

1994年に創業100周年を記念して建てられた本社ビル(クリスタルビル)。利子さんは設計段階からデザインに関わった

 

追悼 佐竹利子さん3

サタケをご視察された常陸宮殿下、同妃殿下を案内する利子さん(左)

 

追悼 佐竹利子さん4

利子さんが理事長を務める財団法人サタケ技術振興財団が沖縄県石垣市に建築した「佐竹利彦椰子記念館(現サタケ八重山ヤシ記念館)」。2005年1月に開館した

 

追悼 佐竹利子さん6

サタケUSA社員と共にハワイで撮影。後列左から4人目が利子さん。右隣が覚さん。2000年6月

 

追悼 佐竹利子さん5

大学との食にかかわる共同研究も積極的に実施。写真は2011年4月、近畿大学との包括的共同研究契約の締結式。右が利子さん

 


 

お別れの言葉

 

東広島市 高垣広徳市長

 

 突然の訃報にただ驚くばかりです。幅広く社会の発展に力を尽くされたご功績にとどまらず、 本市では「東広島市少年少女発明クラブ」の会長として、次代を担う子どもたちが創造性豊かな人間に成長することを願い、幅広い事業活動の推進に尽力いただきました。

 

 近年では、 中山間地域が抱える課題の解決に役立ちたいとの思いから、地域の再生・活性化を図る「豊栄プロジェクト」を発足されるなど、幅広い取り組みでご貢献をいただきました。

 

 個人的にも、1年間ではありましたが、サタケの職員として民間企業におけるガバナンスなどについてご指導をいただきました。

 

 故人の意志を引き継ぎ、本市のさらなる発展に一層力を尽くしてまいります。心よりご冥福をお祈りいたします。

 

 

東広島商工会議所 奥本松樹副会頭

 

 サタケ名誉会長佐竹利子様のご訃報に接し、謹んで哀悼の意を表します。

 

 ご尊父の故佐竹利彦様は、初代会頭として東広島商工会議所の基礎づくりに多大な貢献をされました。また、ご主人様の故佐竹覚様からは3代目会頭として、当所の活動にグローバルな視点を与えていただきました。

 

 利子様がサタケの代表に就任されてからも、さらに会頭を2名も輩出してくださいました。また、ご自身は顧問として、世界最大の穀物加工機械メーカーのトップとしての知識と経験に基づき、大所高所から当所の運営に対し温かい助言を下さいました。

 

 多年にわたり商工業の振興と商工会議所の発展に尽くされたご功績に深く感謝申し上げますとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

広島大学元学長 牟田泰三さん

 

 サタケ名誉会長佐竹利子氏のご逝去の報に接し、心から哀悼の意を表します。

 

 佐竹利子様には、私の広島大学学長在任中に、大変お世話になりました。大学として、学生の就職受け入れにお力添えいただき、教員の人事交流、すなわち、サタケ役員の方々を広大教授として受け入れたり、広大教授をサタケ職員として受け入れていただいたりしました。また、大学に対する多大のご寄付を頂いたことも大きな思い出です。本当にいろいろとお世話になったことが思い出されます。

 

 また、個人的にも、お互いに自宅に呼ばれたり呼んだりと絆を深めたことが思 い出されます。どうか安らかにお休みください。

 

 

弔意

 

 プレスネット、FM東広島を代表して、心より哀悼の意を表します。

 

 25年前、週刊無料新聞を発行したいと最初に相談させていただいた方が佐竹利子さんであり、当時マスコミとは呼べないプレスネットを他媒体と平等に扱ってくださった数少ない方のお一人でした。

 

 経営者としても、人としても心から尊敬できる方でしたが、「意外とシャイな方だなぁ」というのが第一印象でした。東京や海外で、東広島は「サタケ」があるまちだと説明すると分かりやすく、まちのブランドだと感じました。本当に気さくで優しく、何度も助けていただき、感謝しかありません。

 

 社員一同、心よりご冥福をお祈りいたします。

 

プレスネット・FM東広島 川口伸二

 

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