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日本の酒造りの礎に触れて ミニ企画展「三浦仙三郎と安芸津の酒造り」 安芸津歴史民俗資料館で26日まで

  • 2021/11/08

三浦仙三郎と安芸津の酒造り
三浦仙三郎の功績を紹介するミニ企画展(撮影・小林)

 「吟醸酒の父」といわれる東広島市安芸津町出身の三浦仙三郎(1847~1908年)を題材にした映画「吟ずる者たち」の公開を控えた10月23日、安芸津歴史民俗資料館で「三浦仙三郎と安芸津の酒造り」をテーマにしたミニ企画展が始まった。特設パネルで酒造りの歴史や、三浦仙三郎の功績を紹介している。入場無料。

 

 明治時代初頭に酒造りを始めた三浦仙三郎が、一番苦悩したのは完成前や販売前に日本酒が腐ってしまうことだったが、その原因が軟水と衛生管理にあることを突き止め、それまで職人の感覚を頼りにしていた醸造から、軟水でも質の良い酒が造れる、科学的な軟水醸造法を編み出した。

 

 軟水醸造法は、酒の質だけではなく、生産性も向上させることができ、のちの吟醸酒開発のための礎となった。

 

 ミニ企画展では、三浦仙三郎が内国勧業博覧会に出品した清酒解説書や、実際に酒造りに使われていた赤液温度計なども展示されている。

 

 参加者は「『百試千改』と一言で表すのは簡単。でもそれを実行して世界でも評価された三浦仙三郎は本当にすごい人物」と感嘆していた。

 

 市の担当者は「軟水による醸造法だけではなく、東広島の、広島の、ひいては日本の酒造りに貢献した三浦仙三郎の功績に触れてほしい」と話している。企画展は11月26日まで。土日祝日を除き、午前10時から午後4時30分まで開館している(入館は午後4時まで)。

 

(小林)

 

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