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まちの移り変わりの歴史 120基の石造物調査 東広島郷土史研「東広島市の道標」発行

  • 2022/01/19

厳島神社(寺家)にある道標
厳島神社(寺家)にある道標。友待橋交差点付近の水路に放置されていたが、2018年に移された。(撮影・小林)

 東広島郷土史研究会(蔵楽知昭会長)の石造物研究会が、市内に現存する石で作られた道標120基を全て調べ、「東広島市の道標」を発行した。

 

 道標は、方角や目標となる地の方向を示し、木や石で作られる。木製のものは朽ちやすいため、現存するものはほとんど石製。多くは四角柱だが、地蔵があしらわれているもの、動物が彫刻されているものなど、それぞれ特色がある。石造物研究会は2015年、「東広島市の石造物」を発行。その際に石造物の一つとして調査した道標を改めて調査し、1冊にまとめた。

 

 道標は、かつて主要道だった道沿いにあったりしたが、道路改修の際に撤去されたり、移設されたりする例も少なくない。そのため、まず見つけ出すこと、そして刻まれた字を読み解くことに苦労したという。同会は、地元住民の話などを頼りに、一つ一つ道標を見つけ出し、地道に記録した。発行までに5年の歳月を費やした、という。

 

 國松宏史副会長は、「道標は地域の歴史を伝えるものの一つだが、近所にあっても意識されていないことも多い。風化している部分や漢文で書かれているものもできるだけ読み解いた。子どもたちにもぜひ読んでほしい」と話していた。「東広島市の道標」は、市立中央図書館と市立サンスクエア児童青少年図書館で読むことができる。

 

(小林)

 

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