東広島市消防局管内では、今年1月1日から2月17日までに25件の火災が発生し、1人が亡くなっている。3~5月は空気が乾燥しやく、強風が吹きやすいなど、火災が発生しやすい状況が重なるため、より一層の注意が必要。3月1~7日は春の全国火災予防運動の期間。火災を防ぐために知っておきたい話題を集めた。(生活取材班)
管内発生の火災の原因 3~4割が「野焼き」
屋外での焼却は禁止
東広島市消防局管内では、屋外での焼却(野焼き)が原因の火災が多く発生している。占める割合は、昨年が32%、おととしが43%と、例年3~4割。野焼きは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で禁止されている。同消防局は「大規模な林野火災に発展したり、民家へ延焼したりする可能性があり危険。不法な野焼きは絶対に行わないで」と呼び掛けている。
野焼きは原則として禁止だが、農業や林業・漁業、河川の管理など、野焼きの他に方法がなく、やむを得ない場合にだけ、例外として許容されている。
焼却禁止の例外に当たる野焼きをやむを得ず行う場合は、事前に「火災とまぎらわしい煙又は火炎を発するおそれのある行為の届出書」を消防署に出す必要がある。
また、同消防局によると「いつものように焼却していても、風向きなどで燃え広がることがある」という。消火できる十分な対応や準備が欠かせない。
届出や野焼きについての問い合わせは、各消防署または市消防局082(422)0119へ。
焼却禁止の例外
※消防署への届出が必要
●河川管理者による河川管理を行うための伐採した草木等の焼却、海岸管理者による海岸の管理を行うための漂着物等の焼却
●防災訓練での消火訓練用の焼却等
●とんど焼き等の地域の行事における不要となった門松、しめ縄等の焼却
●農業(あぜ焼き、稲わら、もみ殻、草等の焼却等)、林業(伐採した枝等の焼却等)、漁業(魚網に付着した海産物の焼却等)
●たき火、キャンプファイヤー等での木くずの焼却
やむを得ず焼却する場合の注意
①よく乾燥させる
②一度にたくさん焼却しない
③風向き、時間帯、場所などを考慮する
④焼却中は現場を離れない
⑤周辺に民家等がある場合は、近隣住民の理解を得る
⑥できるだけ複数人で行う
⑦水バケツや消火器などの消火器具を準備して行う
違反して焼却した場合
①5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはその併科
②従業員が野焼きを行った場合、その事業主にも罰則が適用(3億円以下の罰金)
!携行缶でのガソリン購入
本人確認などは義務「理解と協力を」
大阪市北区の雑居ビル放火事件では、携行缶で購入したガソリンが使われたとみられていることから、東広島市消防局はこのほど、同局管内の給油所に携行缶への販売状況について聞き取りを行った。
給油所がガソリンを携行缶などに詰めて売る際は、消防法で、購入者の本人確認と使用目的の確認が義務付けられている。給油所は販売記録を作成し、1年間、保管することも決められている。
同局管内では、給油所75カ所のうち64カ所が携行缶への販売を実施。それぞれの給油所で確認用紙を作成し取り組んでいるが、中には理解を示さないお客さんもいる、という声が聞かれた。同消防局は「少しでもリスクを減らすための決まり。携行缶を利用する全ての皆さんに理解と協力をお願いしたい」と呼び掛けている。
ガソリンを携行缶で購入する際の注意点が書かれたちらしを持つ東広島市消防局職員
住宅防火 いのちを守る10のポイント
消防庁は、住宅火災から命を守るための10のポイントを左のようにまとめている。すでに実践している人も多いだろうが、再確認し、「火の用心」の意識を高めたい。
4つの習慣
●寝たばこは絶対にしない、させない。
●ストーブの周りに燃えやすいものを置かない。
●こんろを使うときは火のそばを離れない。
●コンセントはほこりを清掃し、不必要なプラグは抜く。
6つの対策
●火災の発生を防ぐために、ストーブやこんろ等は安全装置の付いた機器を使用する。
●火災の早期発見のために、住宅用火災警報器を定期的に点検し、10 年を目安に交換する。
●火災の拡大を防ぐために、部屋を整理整頓し、寝具、衣類及びカーテンは、防炎品を使用する。
●火災を小さいうちに消すために、消火器等を設置し、使い方を確認しておく。
●お年寄りや身体の不自由な人は、避難経路と避難方法を常に確保し、備えておく。
●防火防災訓練への参加、戸別訪問などにより、地域ぐるみの防火対策を行う。
火災予防のアンケート実施中
東広島市消防局は現在、市民を対象にしたアンケートを実施している。住宅用火災警報器、野焼き、応急手当てなどに関する25問。結果をもとに、火災予防や災害対策を強化していく。アンケートフォームは、下の二次元コードをスマホなどで読み取るとアクセスできる。